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マギウス・風の中の少女 金髪のジェニー

四、技能の修得

 「技能」とは『MAGIUSスタートブック』17頁にて説明されています。
 この「技能」というものは、持っているとその名前に関連のある行動をするときに成功率があがるというものです。そういうわけで、普通のゲームでは持っていると嬉しいものですが、このTRPGではこの「技能」というものは負(マイナス)の数値をとることもあります。そうなると弱点ということになりますので、厄介なものになります。どのように判定に使用するかは、2章の判定判定のところで説明いたします。
 このTRPGでは、技能は「行為技能」「人間関係技能」の2種類にわかれます。それぞれ違った性質を持ったものでして、特に後者はこのTRPGの売り物ともいえる「人間関係」を扱うための重要なものです。それぞれの説明はこれから、修得方法と共に語っていきます。

a.行為技能
 「行為技能」は『スタートブック』に説明されている「技能」に最も忠実なものです。何かしらの行動を行なう際に、関連する「技能」が修正を与えるという一般的なものです。まさに『スタートブック』の通りです。ちなみに、この「行為技能」は「一般技能」です。

表6「階級ごとの初期技能ポイント」
 階級名  雑用教養知識人間関係
使用人階級−−2D6−1
奴隷階級10−−−−1D6
知識人階級2D6
小店舗主階級2D6+3
労働者階級−−1D6+1
資本家階級−−2D6−1
不定住者階級−−1D3+2

 そして、「行為技能」は技能の種類によって「雑用」「教養」「知識」の3つに分類されます。見ただけではわけがわからないからでしょうから、少し説明しておきます。
「雑用」―――いろいろな肉体を使用する技能。もしくは、他の2つの技能に分類するのを不適当と思ったもの。

〈技能例〉洗濯、料理、掃除、乳牛世話、整理、金属加工、喧嘩、樵、応急手当、手術、剛力、乗馬、忍び足、幅跳び、高飛び、水泳、記憶術、味見、歌唱、操船、縄扱い、演奏、工芸、隠蔽、偽造、言いくるめ、身ぶり、聞き耳、土地感、捜索、息堪え、投げ、ネイフ、鉄砲など


「教養」―――学校で習うような文化的・学問的なもの。ここに初期技能ポイントが与えらている階級でないと、〈読み書き〉は修得できません。

〈技能例〉読み書き(米英語)、数学、言語学、法学、神学、診断、礼儀作法、説得、仏語、物理学、歴史、地史学など


「知識」―――職業的に知っていなければならないことや、一般知識、生活に必要かもしれないもの。後天的に生活のなかで学んでくる知識。

〈技能例〉草知識、計算、政治、医療、音楽、会計、アクロバット、尾行、登攀、潜伏、物品鑑定、地図、天候予測、動物知識、植物知識、航海術、作詞、伝承知識占星学、土壌把握、利き酒、発明、賭け、生存術、誘惑、調教、皮肉、鍵開け、変装、罠、スリ、演技、手品、栽培法、詐欺、買収、足跡追跡など


 技能例は目に付いたものを、これだけあげておきました。技能のそれぞれの使い方なんてものは書くことは不可能なので、GMや各プレイヤーで使用方法を考えていってください。おかしな使い方でなければどんどん認めていってもらいたいですね。

 それでは、行為技能の修得方法です。
 表6に書かれていた初期技能ポイントを、各技能グループごとに所属する技能に振り分けていってください。よりふさわしいと思う技能がございましたら、どんどん技能をくわえていってくださって結構ですので、どんどん自分たちの『ジェニーTRPG」にしていってください。

b.人間関係技能
 「人間関係技能」、わけがわからないでしょう。もっとわかりやすい技能分類名にしたかったのですが、どうもデザイナーの語彙が少なかったおかげでこのような名前になってしまいました。ちなみに、この技能はMAGIUSでいうところの「専門技能」に該当します。ゲーム中においてはどうでもいいことなのですが、一応、触れておきました。
 人生というものは、人との交わり抜きには語れません。このTRPGの原作のアニメにおいても、人と人の触れ合いによって物語は進み、主人公ジェニーも成長していきました。これを表すのが、この「人間関係技能」です。
 人というものは、自分のことではなく、他人のためにならばできるということが、時としてありえます。また、普段の自分にはできることなのですが、嫌な奴のためとなるできなくなってしまうという事があります。他人への思いが、行動の成否を変えるのです。このことを際限するのが、この「人間関係技能」なのです。
 また、単純にこの技能は「人間関係」の強さを表します。この技能を修得することによってPC作成の際に、PCの背景世界への結び付きが行なわれるのです。
 ゲーム中での使用方法は、2章の判定方法で述べさせていただきます。

 それでは修得方法です。「人間関係技能」は関係を持っているキャラクター(知り合い)ごとに修得します。いわゆる「コネ」を表すわけではありませんので、そこについては御留意ください。例えば、ジェニーならば〈スチーブン〉技能を持っているわけです。
 「行為技能」と同じように表6にある初期技能ポイントを振り分けます。「行為技能」とは違い、サイコロを振って初期技能ポイントを決定します。
 まずは、身近なところ、家族から技能ポイントを振り分けます。父親・母親は最初から5レベルの「人間関係」を持っています。5レベルというのが普通の親に対する「人間関係技能」なのです。普通の親に対する愛情よりも激しいものにしたければ、1ポイントを振り分けるごとに、1ポイントずつ上昇していきます。
 家族に振り分ける作業が終了しましたら、知人に振り分けましょう。家族以外の他人には悪印象を持っていることもありえます。そういう知人は負の技能レベルにしてしまいましょう。そうすることによって、振り分けることのできる「人間関係技能」のポイントが獲得できますが、これによって獲得できるポイントは最大で6ポイントです。
 プレイが始まる前からPC同士は知り合いのほうが望ましいので、PCとの人間関係にもポイントにも振り分けてもらいたいものです。
 また、「人間関係技能」レベルの「人間関係」の強さの指針をあげておきましょう。
 20レベルならば恋人、15レベルならば親友、8レベルならば友人、4レベルなら親しい知り合い0レベルならば、単なる知り合い、−4レベルならば嫌な奴、−8レベルなら顔も見たくない奴、−15レベルなら無視したい相手、−20レベルならば殺意が生じてしまうくらいのレベルです。
 充実した「人間関係技能」を活用することで、セッションが円滑に進むかと思います。
 ところで、この技能は「集団に対する好き嫌い」を表すこともできます。これを「共感・偏見・狭量」とかいうこともできます。例えば、白人の資本家階級は〈黒人偏見〉、〈清教徒共感〉というような「人間関係技能」をも、持っていることでしょう。これを利用すれば、〈学校の同級生〉という「人間関係技能」も可能になります。
 ところで、「偏見・狭量」のような負のイメージのあるものは、負の数値で表します。そういうわけですので、実は先程の白人の例は、〈黒人〉、〈清教徒〉のような技能が負の数値のレベルであったということになるのです。


五、その他

 ここまで作成しましたが、まだ余っている空間があるでしょう。そこに関するところをここで簡単に説明しておきます。
 「プレイヤー名」「キャラクター名」はしっかり記入しておいてください。
 「プレイヤー名」はあなたの名前を記入しておけばいいのです。誰のキャラクターかなどがわからなくなったときに重宝します。
 「キャラクター名」は一九世紀半ばの米国らしい雰囲気の名前をつけてやってください。他のPCとのバランスが狂うようなものはやめておいたほうが無難でしょう。どこかから引っ張り出してきたような名前もあまり推奨できるものではありません。特に、有名なアニメ作品なんぞから引っ張ってきた名前は雰囲気を変にすることがあるのでやめてください。他のプレイヤーが怒りそうな名前なんぞは、もうやめておかなければなりません。例えば、「ソン・シア・サハラ」なんぞいう名前は危険ですのでやめてください。でも、そんな名前をつけるプレイヤーはこのTRPGをやろうとしていないことが明らかななので、ゲームから追放してもいいでしょう。
 「容姿」は書きたい人だけ、書けばいいのです。他人に書け、と強要してはいけません。イラストコンテストではありませんので、そのつもりでいてください。
 名前のことで付け加えておきますが、「人間関係技能」のスペースには人物名を書き込んでください。ここで、PCのまわりの人物設定もできるという点が重要なのですから。
 ところで「所持品」「所持金」の記入欄がないとかいう声が聞こえてきそうなので、このことについても触れておきます。
 これについては、キャラクターの階級・ゲーム中の必要に応じて、適当に決定してください。これはそこらへんに対して、厳密なTRPGではないのですから、話の流れに応じて、雰囲気で決定してください。厳密なプレイをしたいという方は、図書館に行って、自分でそこらへんのデータを調べてください。そのデータを調べ終ったあとで、物語を楽しむためにあるTRPGでそこまで厳密に、いろいろなことを決定していかないかを熟考してください。別に、こちらが手抜きをしたわけではなく、そこらへんを考慮した結果、「所持品」などについては臨機応変にGMにまかせることになったのです。我々としても、必要だという考えに変わったときには「所持品」「所持金」「物価」についてのサプリメントを作成するでしょう。ひとまず、今回のジェニーの故郷の町での生活を取り扱うTRPGでは、「所持品」については特に気にしないことにします。

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