地下足袋を初めて履いた時・・・
地下足袋を初めて履いた時、目からうろこが落ちるような感動を味わったことを覚えている。今まで”歩くためだけ”の足が突如、”つかえる道具”に生まれ変わる。人間が元来備えていた、動物の能力が蘇ってくる。 足の指で何かを押さえたり、加減をあんばいしながら土を穴へうめもどしたり・・・。忍者のように木に登ったり降りたり・・。
20年以上住み慣れた横浜を捨て、長く勤めた会社も辞めた。「もう少し自然を感じる生き方をしたい。」漠然とした夢の先に、どうしたわけか地下足袋が置かれていて、気がついたら履いていた。たくさんの素敵な人たちに支えられて、今日も足袋に足をいれる。