< 能登の旅 3日目 >

2007/8

---  波並 -- 穴水 -- 能登島 -- 七尾 -- 氷見 -- 高岡 約130km  --- 

 

今日は能登半島の東岸を高岡まで。またしても向かい風だ。白波が走っている。
背をかがめてひたすらペダルを廻す。
強い日差しが真上から照りつけ、海岸線は避ける場所がない。

 


 

< 朝 >

 


               日の出とともにスタート

 

 朝の軽い高揚感が好きである。疲労は残っているが気持ちは新鮮である。

 昨夜の宿”民宿ふらっと”は当りだった。古い民家が上手なアレンジで生き返っていた。ご主人がオーストラリア人でシェフ。働き者の若い奥さんが民宿と手作りパン屋を切り盛りし、仕事と子育てを楽しんでこなしている。よく食べ、よく寝た。宿の余韻を意識しながら、早朝の街道を走る。


                  中居湾 ボラ待ち櫓

 

 しかし、空模様がよくない。走り始めてすぐに雨にあってしまう。トンネルに避難して、雨の止むのを待つ。しかし、幸いなことに雲足が速いので雨は長くは続かない。小降りになるのを待って走り始める。タイヤが巻き上げるハネのせいでスピードが上げられない。20km/hを越えると後輪の跳ね上げでサドルやパンツが泥だらけになってしまう。水たまりを避けながら恐る恐る走る。

 


                        中居付近  

 


 

< 能登島 >

 
 天気が回復したら暑さも戻ってしまった。適度の曇り、追い風というのが理想だが、今日は ”炎天下の向かい風”である。

 能登島へはツインブリッジで渡る。海が広い。景色が明るい。橋の上で何枚も写真を撮る。  

 


                       ツインブリッジ


ツインブリッジから和倉方面   

穴水方面   

  

 景色を楽しむ余裕のあったのは七尾までで、そこから氷見までが長かった。木陰がない海沿いの道。いつまでたっても同じような景色が続く。軽い上りと下り。走っても走っても氷見は遠い。ボトルの水が尽きたが、店はおろか自動販売機もない。海岸に沿って家々が同じように続くだけ。ようやく商店を見つけて飛び込み、アイスをほうばる。

「孫が忘れていった。」と、奥さんが小さな貝殻を標本用に洗っている。お盆休みに愛知県から来たという。出してもらったビールケースに腰掛けていると、お店の中を海からの風が通り抜けて行く。

 


 

<  海の道 >

 


           阿尾城址


               阿尾城址を遠望する

 

 歌枕で有名な有磯海。海に突き出した絶景が阿尾城址である。戦国以降の菊池氏の城。海上交通の要の位置にたつ。

 古代の越中国府は高岡市の伏木、越後国府は直江津、加賀国府は小松、能登国府は七尾、若狭国府は小浜、丹後は宮津。そして前期越前国府として敦賀説があり、全てが海に面している。古代の北陸道は文字通り ”北國海道”であった。

 


 

< 高岡・吉久 >

 


                     吉久の町並み


 高岡には古い町並みが残っている。その一つ吉久の町並みである。「この方向のはず。」と、地図を見ながら自転車を走らせて行くと新開地のような所に迷い込んでしまった。古い町並みどころか民家もない。途中で道を聞き、教わった通り走りながらも、なお半信半疑であった。

 しかし大通りから斜めに突然古い町並みが始まった。この一画だけ取り残されたような古い町並みである。しばらく行って道は堤防であっけなく終わる。江戸時代に加賀藩の米蔵が置かれ、京、大阪方面への集積地として栄えたという吉久の町である。殺風景な新開地のような所に、こつ然と、昔の街道風景が残っているというのも不思議な感覚であった。

 


 

< 高岡市内の風景 >


                             走る路面電車

 高岡の町は路面電車が生き延びていた。市内は道幅もあって、車社会との共存ができたのであろうか。各地の残る路面電車がレトロな旧型車両が多いのに、ここのは斬新な低床式のような連結車両である。金沢と富山に挟まれ、鋳物くらいしか知らなかったが、独自な顔を持つ町である。

 


                              こどもが通りかかった。

 

 


          モダンな装飾の蔵作りの家

 


                               金屋町

 金屋町は多くの観光客でにぎわっていた。案内の人が、鋳造の様子などを説明している。やはりここも中高年ばかりである。




 帰りの時間が気になって、駆け足で市内を回った。駅に着いて電車の時間を確認する。金沢行きが5分後である。大急ぎで自転車を畳み、担いでホームへ走る。自分の走りはいつも慌ただしい。

 列車は真夜中になって、ようやく名古屋に着いた。まだまだ暑い夏であった。

 

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