< ホリデーパスを使って その7 筑波 >

2002/5

土浦 - 筑波 - 真壁 - 下館 - 結城 - 小山  約100km

 


季節は麦秋。前線が南の海上に居座って天気がはっきりしない。
迷ったが 降らない方に賭けて電車に乗る。
5月中旬だというのに肌寒い。 常磐線の車内のヒーターが心地よい。今年の稲の作柄は大丈夫か。

 


 

< 筑波へ >

 

 土浦で自転車を組んで走り始める。雲が厚い。湿り気を伴った初夏の風が心地よい。芦原にはオオヨシキリ。蓮田や田植えの済んだ田圃ではカエルがさかんに鳴いている。

 


         筑波山は雲で煙って見えない

 

 筑波については万葉集の東歌や歌垣などで目にするくらい。新しい学園都市の話題もすっかり昔。ほとんど予備知識がなかった。しかし、筑波神社の門前町や旧街道には古い家並みが残ると聞く。筑波・真壁・下館・結城とつなげば100km弱。ちょうど良い距離だ。

 


 

< 平沢官衛遺跡 >

 


        稜線の上に筑波山の頂がわずかに見えた

 

 平沢官衛遺跡。かつてこの丘は畑だったところ。住宅開発の最中に数十棟もの建物跡が見つかる。律令時代の倉庫群。常陸の国の国府は石岡、ここは郡衛に付属する正倉ではなかったかと考えられている。よくて案内板、所在を示す石碑があるくらいだろうと思っていたのが大間違い。高床倉庫が当時の3種類の様式で復元され、筑波山を背景に古代の風景が出現する。

 平沢官衛遺跡の北西に隣接する神郡(かんごおり)には条里制遺構や中坪の地名も残る。

 


 

< 筑波道 >

 


 道標を撮ろうとカメラを構えていたら、自転車とバイクのご婦人が出会って立ち話が始まる。買い物帰りの様子。失礼だが、お二方とも都会ではとてもバイクなどに乗るような年格好には見えない。交通事情や住環境がうらやましい。

 


上大島にて 
筑波道 神郡

 筑波神社は道路の正面、今日は雲が低いが山の中腹あたりに見えるはず。

 

真壁に至る旧道で


 筑波道は筑波山への参詣のための道。筑波周辺はいまだ旧街道の面影を色濃く残す。日本の道100選にえらばれた神郡をはじめ、北条、上大島などに古い漆喰塗りの建物が残っている。

 


 

< 石塔 >

 

  
  中央の写真の右端に読みにくいが、十九夜供養とある。馬頭観音に供えられた木の枝は何だろう。


 この地方は石塔や石仏が多い。馬頭観音、庚申塚などが辻々に立つ。特に十九夜供養塔、二十三夜供養塔など月待供養塔が物珍しい。帰ってから調べてみると、どうも「つきまち」つまり月のお祭りで、主に出産年齢のご婦人方が集まって安産を祈願した講のようだ。

 

つづく