Q.フィラリア症について教えて下さい。

A・フィラリアとは蚊が媒介し心臓・肺動脈に寄生する犬の死因のトップに挙げられるほど怖い寄生虫です。感染すると手術で虫体を吊り出したり薬で駆虫します。経済的・肉体的負担は大きなものです。現在、蚊の出る期間予防薬を月に1回飲ませる以外予防法は有りません。ワクチンのように感染を阻止しているのではなく、犬の体内にいる幼虫を駆除します。毎年予防前に必ず、血液検査を受け、安全に予防薬を投与できるか調べ、蚊が出始めた5月頃から、いなくなった次の月、12月頃まで投与をお勧めしています。正しい予防で可愛いわんちゃんを守ってあげましょう。最近、猫・フェレットのフィラリア症も話題になって来ています。お近くの先生に御相談下さい。
(2001.05掲載分)

Q.狂犬病予防接種は毎年必要ですか?

A.狂犬病とは人を含む全ての温血動物に感染する急性ウイルス性脳脊髄炎です。死亡率は、ほぼ100%。中枢神経障害が起こり興奮期には攻撃的になり、あらゆる動くものに咬みつき、人などに感染を広げます。我国は法律で91日齢以上の犬は毎年接種し、市町村に届け出ることが義務づけられ獣医師会も行政と協力し集合注射を行っています。昭和32年以降、国内での発生はなく清浄状態を維持していますが、近隣の国を含め世界中で毎年、多くの人々に狂犬病が感染して命を失っています。昨今の国際交流が盛んな情勢では予防接種による発生の防止、検疫による監視が一層必要となります。未接種犬は接種不可能な場合も有りますので近くの先生に診察の上ご相談下さい。
(2001.06掲載分)

Q.猫のノミについて教えて下さい。

A.ノミは犬猫に寄生するとすぐに吸血を始め、2日後には多いときで1日に約40個の卵を産みます。卵は畳やじゅうたんに落ちて幼虫→サナギとなり、2〜4週間で成虫に成ります。悪環境に強く、半年以上羽化を遅らせる事が出来ます。皆さんが成虫を1匹見つけると、その環境には、約20匹ものノミが潜んでいます。ノミは、吸血により犬(瓜実)条虫を感染させたりノミアレルギー性皮膚炎の原因になります。大量寄生すると貧血を起こす例さえあります。ノミ対策としては、滴下式・スプレー式・内服薬・ノミ取り首輪・注射(猫用)等があります。梅雨に入り、ノミが繁殖しやすい季節です。早めに近くの先生に相談しましょう。
(2001.07掲載分)

Q.フェレットを飼っています。不妊手術は、必要ですか?

A.通常、ペットショップ等でスーパーフェレットとして売られているフェレットは、不妊、去勢手術と脱臭のための、肛門嚢除去がすでに行われている事が多いです。メスは、生後9か月で、性的に成熟するので、それまでに不妊しなければなりません。発情が続くと1ヶ月以上のエストロゲン過剰で、骨髄の造血作用を抑制し再生不良性貧血をおこすことがあるからです。オスの去勢は、生後4ー6ヶ月で行ないます。これらの手術の利点として、
性ホルモンに起因する不快な臭いを軽減し、体臭をおさえる効果があります。またフェレットもジステンパーワクチンの接種、フィラリア予防も大切です。ペットフェレットの平均寿命は、5ー7年です。3才位から、腫瘍性の病気が増えてきますので、定期的に健康診断をしましょう。
(2001.08掲載分)

Q.老犬が歯石で口臭がひどいのですが。

A.犬猫の歯石除去の、特徴は全身麻酔下で行う事です。歯肉や歯周組織のほとんどの炎症は、歯の表面への 真菌や細菌の付着、プラーク(歯垢)の付着により引き起こされます。処置・麻酔の術前検査として、年齢や全身状態により血液・X線検査や事前の投薬が必要な場合が有ります。臼歯に歯石が、付着して茶色になったり、口臭がきつい、または歯肉炎がひどいなどが歯石除去の目安となります。特に猫は、歯石だけではなくウイルス性伝染病による免疫力低下に起因する口内炎も多く、流涎・疼痛のため食餌を取れない場合も有り、歯石除去以外に内科的な治療が必要な場合が多く有ります。歯石予防のグッツや食餌も数多くありますので、お近くの先生に相談下さい。
(2001.09掲載分)

Q.生後3ヶ月の子犬が、すぐ人に噛み付きます。どうすれば治りますか?

A.子犬は 、じゃれたり興奮して色々なものを噛む事が多いようです。これは、成犬になってからの噛み癖とは関係ありません。人の手足や、人の匂いのする物を好むようです。乳歯が永久歯に生え換わる生後6ヶ月位までは続くと思います。先ず噛んでも良いものといけないものをはっきりさせましょう。いけないもの場合「いけない」と強い口調で叱り止めさせます。言う事を聞いたら良く誉めてあげましょう。根気良く教えていくと徐々に治っていきます。むやみに叩いたりするのは逆効果です。叱るだけで十分です。また、極端な例は、お近くの先生に相談されれば、問題行動カウンセラー・訓練師等、専門家を紹介してくるでしょう。
(2001.10掲載分)

Q.オウムを飼っています。人からオウム病は怖いと聞いたのですが、どんな病気か教えて下さい。

A.オウム病は近年我が国で増加傾向にある動物由来感染症です。病原体はクラミジアで、もともと鳥から鳥に感染し、無症状の場合が多く環境や飼育状態が悪いと発病し、衰弱死します。人も汚染された鳥の羽毛や排泄物などを吸い込むと感染します。人は、インフルエンザのような症状を示し、重症例は肺炎になります。早期の診断治療で回復しますが、診断が遅れた場合は、死亡する例もあります。主の感染鳥はオウム、インコですが、鳩、鶏、文鳥、十姉妹、その他、野鳥も感染します。鳥を飼っていて、重い風邪の症状がある場合、医師に鳥の飼育環境を話しオウム病の疑いがあるか相談した方が良いでしょう。
(2001.11掲載分)

Q.私は小学校5年の女子です。動物が大好きで獣医さんになるにはどうしたらいいのですか? 

A.獣医師になるには中学高校を卒業し獣医学科のある大学(国公立11校・私立5校・神奈川県内には麻布大学と日本大学が有ります。)の課程を修了して獣医師国家試験に合格し獣医師免許状を受けます。獣医学課程の学部は6年制ですから、獣医師になれるのは最短でも24 歳ということになります。ペットブームで色々なペットが増え病気も多種多様なためペット臨床医として1人前になるには早くとも大学卒業後3〜5年はかかります。現在多くの獣医科大学は半数以上が女子学生と、女性上位の時代です。ペット臨床医以外にも大動物臨床医・公務員・企業・研究機関など多くの場所で獣医師が働いています。
(2001.12掲載分)

Q.子犬を飼おうと思います。以前飼った犬が咬み癖が有り、良い子犬の選び方を教えて下さい。

A.子犬がどんな性格に成長するかは、家庭での躾が一番大切な要因です。しかし、人間同様に犬にも持って生まれた性格があります。可能なら、子犬の両親を見せてもらうと成犬になってからの性格も予想が付きます。無理な場合は生後60〜90日間の子犬に出来るキャンベルのテストと言うものが有りますのでご紹介しましょう。@仰向けにして胸を手の平で軽く30秒間押さえる。A普通に地面から10cm持ち上げて30秒間保持する。@Aで咬だり、怒ったりする犬は支配的で大型犬は要注意B空缶などを側に落とす。驚き飛び上がり缶に近寄って来ない臆病な犬C背中をつねると直ぐに咬む犬などは注意が必要です。詳しくは、お近くの先生に御相談下さい。
(2002.01掲載分)

Q.ハムスターを飼いたいと思います。最近TVで人にうつる病気があると聞きました。検査を受ける事は出来ますか?

A.ハムスターから人に感染する病気はサルモネラ属、野兎病、膜様条虫属、リンパ球性脈絡髄膜炎などの人畜共通感染症がありますが問題が起こるのは希れです。検査には病院内で出来るもの、研究機関に依頼するものがあります。全てを検査するには費用・時間を考えると現実的ではないかもしれません。ハムスターの種類も多く、飼いたい種類の性格や特徴などを調べて選びましょう。ペット全般的に言える事ですが、ペットを触ったら手を洗って、飼育ケージの掃除もまめに行い、動物の体調の変化を見逃さない様に注意して飼ってあげましょう。詳しくは近所の動物病院の先生に相談下さい。
(2002.02 掲載分)

Q.我家の犬は9歳の雑種犬です。現在ダイエット中ですが、人の目を盗んでは、食卓の上にある食べ物に手を出してしまいます。どうしたら良いでしょうか。

A.室内犬は家族の協力が必要です。誰か一人でも必要以上の食餌を与えると成功しません。テーブルの上など届く所に食べ物を置かないで下さい。普段ドックフードを与えている様であれば市販の低カロリー食を与え、反応が悪い様でしたら、病院でダイエットフードを処方してもらい空腹感を減らし無理のない減量を行いましょう。色々なフードが有るので、きっと愛犬に合ったフードが見つかります。適度な運動も大切ですが、過激な運動やダイエットは、逆に心臓への負担となる場合も有ります。定期的に病院で体重測定及び身体検査をしてもらって下さい。
(2002.03掲載分)

Q.娘がメダカを貰って来ましたメダカについて教えて下さい。

A.メダカといえばヒメダカだと思っている人が多い様です。オレンジ色の美しいメダカです。これは突然変異を人工的に固定したものです。40Lの水槽なら10匹程度のメダカをろ過装置、エアレーションポンプ無しに飼う事が出来ます。水温は10〜30℃の環境で金魚藻または熱帯魚用の水草を入れてあげましょう。餌はイトミミズ、ミジンコ等、顆粒状のもの、また稚魚用のものも市販されています。寿命は2年位ですが環境が良いと5年も生きるものもいます。生後4ヵ月位から水温が15℃以上になると、毎日30〜40個の卵を4〜6ヶ月間産み続けます雌は、しばらくの間、お腹の下に卵の塊をぶら下げて泳ぎ、その後水草に付着させ、約10日で孵化します。
(2002.04掲

Q.犬のフィラリア予防の注射があると聞きましたがどんなものか教えて下さい。

A.従来の月に一度飲ませる内服薬の他に、注射をすると約6ヶ月間フィラリア予防が可能な薬が出来ました。どうしても、ワンちゃんが薬を飲むのを嫌がったり、投与をつい忘れてしまう事が多い場合は、一度の注射だけで六ヶ月間確実に予防出来るのは大きな魅力です。実際の投与法としては年2回接種する。又は、その前後2〜3ヶ月間は内服で予防する必要が出て来ます。体重で、投与する薬の量が変わるのは、内服薬と同様で体重の変化が激しい成長期のワンちゃんには、使えません。内服と注射、どちらが良いと言うことはありませんのでお近くの病院で投与しやすい方をお選び下さい。正しい予防で可愛いわんちゃんを守ってあげましょう。
(2002.05掲載分)

Q.生後4ヵ月のラブラドールを飼っていますが自分の便を食べてしまいます。

A.これは、異常な摂食行動の一つで、食糞症と言います。母犬が生後1ヵ月位までの子犬の糞を食べるのは正常ですので、これとは、区別して考えます。行動的原因として、怒られない様に粗相をした事を(排便した事を)隠す。また環境の急激な変化によるストレス等が考えられ、病気としては膵不全、吸収不全、重度の消化管内寄生虫症、糖尿病等多くの疾病の可能性も考えられます。治療はまず、飼育環境を詳しく調べ、検便、消化試験、血液検査や、もっと進んだ検査が必要な場合もあります。ご家庭では、便を速やかに片づけ、規則正しく食餌を与える様にすると成犬になるにつれて、だんだんと行わなくなる例が多いようです。
(2002.06掲載分)

Q.室内犬を飼いたいと思っていますが、人に移る病気が心配なのですが?

A.犬猫には人間にトラブルを及ぼすズーノーシス(人獣共通感染症)があります。今回は、消化管内寄生虫についてお話しましょう。回虫・コウ虫・ベン虫・瓜実条虫などがあり口から感染します。(コウ虫は皮膚からの感染もあります。)しかし、この大部分は、正しいペットとのつきあい方で予防できます。@口移しで食物をあげない。Aノミ・ダニの予防をし、寝床を清潔にする。B定期的な検便・駆虫をし、排泄物は、すぐに片付ける。C一緒に寝るのは出来るだけ控える。D他の犬猫の、排泄物には近寄らせない。E私達も食事の前には必ず手を洗う。など楽しくペットと暮らせる様ズーノーシスコントロールをしましょう。
(2002.07掲載分)

Q.お盆休みに家族で出かけます。犬を預けるのにペットホテルの選び方や注意点を教えて下さい。

A.ペットホテルは動物病院以外にもペットショップ等があり、お盆・正月等は大変混み合いますので早めの確認が必要です。また、どのような場所で預かってもらえるのか?運動、食餌や排泄のさせ方等を確認しましょう(当然の事ながらエアコン完備です)。さらに、現在、健康であり犬猫・フェレットはワクチン接種を必ずしておく事が最低条件でしょう。接種歴無しに預かる所・無制限に何頭も預かる所は避けた方が良いでしょう。最初は、長期間は避けた方が良いかもしれませね。いつも遊んでいるオモチャ、食餌・おやつを持って行くのも良いでしょう。料金・各条件を確認して信用できる施設を選びましょう。
(2002.08掲載分)

Q.人間用の市販薬を犬に飲ませても大丈夫ですか?

A.一概に言えませんが、人体薬を動物に投与するのは止めた方が良いでしょう。なぜなら、各医薬品対する感受性が動物種によって違うからです。単純に人間に有効だから動物に対しても有効とは限りません。副作用だけが強く出る場合もあります。獣医師も、人体薬としてしか存在しない、医薬品(新薬・抗癌剤)等は動物のオーナーの承諾を得て処方する場合があります。しかしこれは世界中の製薬会社・研究機関等から動物種ごとに感受性等の文献情報を入手してからの事です。ほとんどの薬剤は動物種によって基準量があります。特に市販の薬は、数種の薬剤を組合せている場合が多く用量が人間とは違う場合、逆に動物に苦痛を与える場合さえあります。
(2002.09掲載分)

Q.猫を飼っています。オフロの入れ方・注意する点を教えて下さい。

A.猫のシャンプーは小さい時から慣れていないと難しい場合が多いようです。被毛を濡らす事を嫌う猫が多く、短毛種でシャンプーを嫌う様であれば蒸しタオルで拭くだけでも綺麗になります。水を使わないで体にかけて拭くだけで良いドライシャンプーもあります。もし慣れている様なら猫用シャンプーを使いましょう。音に対して敏感な場合はシャワーを使わずに洗面器などにお湯を溜めて、そこに猫を入れると良いでしょう。とくに頭部は丁寧に洗って下さい。耳に水が入っても直に外耳炎等になる事はありません。長毛種はシャンプー後の自然乾燥は毛玉を作る原因になるので、プロのトリマーさんに任せた方が無難でしょう。
(2002.10掲載分)

Q.野良猫の子供数匹に餌をあげたら、住み着いてしまいました。近所から苦情も来て困っています。

A.あなたが、その子猫達の一生を責任を持って面倒見る覚悟があるかどうかです。よく動物病院にも、この子は野良だからと言って連れて来る方がいますがよく話を聞くと食餌を毎日与え名前も付けています。中には首輪をしている子さえいます。これは、立派な飼い猫です。その猫が、いたずらをすれば、近所の人は、あなたに苦情を言って来るでしょう。現在だんだんと地域猫と言う概念が広がって来ていますが猫が苦手な人も多い事を認識し、最低限のマナーとして、他の家の軒先などで食餌を与えたり、食べ残しの食餌を放置するのはよしましょう。増えない様に避妊・去勢手術を受けさせる事も重要です。
(2002.11掲載分)

Q.14歳の雑種犬が最近、急に夜鳴きがひどくなり、近所迷惑で家族も寝不足で困っています。

A、獣医学の進歩、オーナーの管理などの要因により、長寿の動物が増えてきました。その反面、加齢に伴い脳の変化による異常行動が増えてきました。夜鳴・徘徊などの睡眠パターンの変化、喜怒哀楽を示さなくなった、粗相が頻繁になるなどは、フリーラジカル(体内の代謝・環境汚染物質・紫外線等により産生される)が生物学的・物理学的変化を脳の組織に生じさせ老化の過程で起こる事が主だと言われています。特に夜鳴きは、困った問題です。その動物に適した薬剤(抗不安薬・催眠導入剤等)を処方することが多いようです。現在は進行を遅らせる処方食も出てきています。お近くの病院でご相談下さい。
(2002.12掲載分)

Q.家にいる老猫が亡くなった時、庭に埋めてあげたいのですが可能でしょうか。 

A.長年一緒に暮らした家族(ペット)が亡くなるのは大変悲しいものです。まず、埋葬する場合は無断で他人所有・公共の土地に埋葬することは出来ません。又、自分の土地でも土葬する場合は、近隣に臭いなどの迷惑をかけないようにしなければなりません。
他の方法として市町村に引き取ってもらう方法があります。
法的には廃棄物処理の扱いになります。詳しくはお住まいの市町村にお問合せ下さい。民間の動物霊園等は、色々な埋葬法があり、合同慰霊塔に埋葬する方法・個別にお墓に入れる方法・骨戻し等があり、骨戻しで、お骨を庭に埋めてあげる事も出来ます。お近くの病院に相談されれば紹介・説明をしてくれると思います。
(2003.01掲載分)

Q.飼っているオス犬が陰睾だと言われました。どうしたらよいか教えて下さい。

A.オスの生殖器官である精巣が出生後に陰のう内に降りずに、腹腔内または鼠径部皮下にとどまっている状態を停留精巣(陰睾)または潜在精巣と呼びます。
この状態では精巣が常に体温で暖められてしまうため精子形成が傷害され、両側性の場合は、生殖の能力を欠く場合があります。また、高温条件下に常に置かれると、精巣腫瘍の発生率が高くなります。腫瘍も良性のものと悪性のものがあり、一部の悪性のものは、転移する可能性があり注意が必要です。特に腹腔内のものは腫瘍の発見が遅くなる場合が多く、外科的に摘出する方が安心です。費用も皮下か腹腔内に在るかで大きく変わりますのでかかりつけの先生にご相談下さい。(2003.03掲載分)

Q.十歳の犬の目が白く濁って来たような気がします。どうしたら良いでしょう。

A.白内障は、目のレンズ(水晶体)やその外側を覆っている(水晶体嚢)が異常に不透明に濁ってくる現象です。濁り具合は、小さな点状から、水晶体全体が濁るものまで様々です。白内障の原因は、遺伝によるもの、代謝欠陥、糖尿病、外傷(けが)および老化などがあります。白内障が起こる速さは数日から数年に及びます。現在は、点眼薬等で進行を遅らせたり積極的治療として人間同様に外科的に人工眼内レンズを入れる方法まで、色々な治療法が有ります。外科的処置を望んでも、健康状態、生理的な条件、術後管理が不可能な神経質な犬は、外科処置不適用の場合も有ります。信頼のできる先生の診察を受けご相談下さい。
(2003.03掲載分)

Q.飼い犬が良く吠え近所から苦情が来ました。無声手術があると聞きましたがどんなものですか?

A.住宅密集地などでよく吠える犬は、近所に迷惑をかける場合があります。色々と無駄吠えを抑えるグッツ等もあります。それらを試しても上手く行かない場合、声帯を切り取る手術があります。無声手術(喉頭声帯切除術)をしても、声が全く出なくなるわけではありません。手術後でも犬は、きしむ様な声を出し、近くにいる人には逆に、いらだつような声に聞こえるかもしれません。数ヶ月から2〜3年で声が出る場合もあります。これは、発声器官に線維組織(傷などの後に正常な組織の代わりにできる瘢痕組織)が形成される場合があるからです。術式、費用も様々です。担当の獣医師とよく相談して下さい。
(2003.04掲載分)

Q.2歳メスの犬が生後6ヶ月で避妊手術を受けましたが、今でも発情が来ています。そんな事はあるのでしょうか?

A.避妊手術は、卵巣子宮を全摘出することが基本です。しかし、卵巣だけを摘出する、卵巣摘出術と言う変法もあります。卵巣を残して子宮だけを取ることは、妊娠は、しませんが、発情は来る。乳腺腫瘍等のリスクも高くなるなど特別な理由を除いて、欠点があるばかりで利点は全く有りません。発情出血等が定期的に来るのであれば、避妊手術の際に卵巣を取り忘れたか、卵巣組織は再生する事から組織の一部をお腹に残してしまった術式のミスと思われます。手術を行った獣医師に確認し、もし残っているならば、手術を担当した獣医師と相談の上、再手術を行い卵巣を摘出する事をお勧めします。
(2003.05掲載分)

Q.犬が散歩中、拾い食いをしたり、ゴミをあさったり色々な変な物を食べてしまい困っています。

A.拾い食い(異嗜)は、急性膵炎・中毒等の原因にもなり注意が必要です。特に、鋭利な金属、木片、糸状異物は、内視鏡で取り出す事は難しく、胃切開・腸吻合等の外科処置を必要とします。異嗜の原因チェックとして@食餌の量と質(ミネラル)が足りているかA消化管内寄生虫による異嗜B胃内異物の有無(胃の違和感から起こる異嗜)があります。X線・バリウム造影・内視鏡検査、腹膜炎・膵炎等の疑いが有れば血液化学検査を行います。何も原因が明らかで無い場合は、ストレスの排除、躾を行います。お近くの動物病院に相談頂ければ、問題行動カウンセラー(獣医師)及び訓練師を紹介してくれるでしょう。
(2002.06掲載分)

Q.猫が子供を産んでしまい避妊をしようと幾つかの病院に問い合わせると料金に差がありましたどうしてでしょう。

A.避妊手術に限らず、動物病院の診療費は個々の病院が使う薬、人件費、設備、知識・技術等を考慮して、診療費を決めています。避妊手術は、他の手術と同様、健康診断(検査)、入院費、麻酔・手術費用、薬品代、抜糸等の値段がセットになっている事が多いでしょう。社会貢献を含めセットで、安価で行っている病院が多いようです。しかし、より安全なな処置・機材・薬を使えば経費はかさみます。経営努力無しに高額な請求をする病院も有り、高いから安全と言うのでは有りませんが、安く出来るには、必ず理由があり、色々質問をして信頼関係を持てる病院に依頼されるのが良いと思います。
(2002.07掲載分)

Q.3才の犬ですが時々片側後足を挙げてしまい、しばらくすると元に戻りますが大丈夫でしょうか。

A.可能性として高いのは、膝蓋骨脱臼です。後肢の膝の皿が正常な位置から逸脱した状態です。大型犬種は外方脱臼、小〜中型犬種は内方脱臼が起こりやすく発生頻度は内方脱臼が圧倒的に多い様です。先天性と後天性があり程度によ無症状から正常歩行が困難な場合もありT〜Wグレードまでに分けられます。症状としては疼痛・腫脹・跛行・患肢の挙上等があります。初期治療は消炎剤を使い体重のコントロールをしますが、根本治療は外科的な治療になります。老齢化に伴い前十字靭帯が弱くなり、急激な動きをした場合等、靭帯の断裂を起こす事もあり要注意です。信頼できる病院で、診断を受けご相談下さい。
(2003.08掲載分)

Q.犬の散歩中に引き綱をしていない犬に噛まれてしまいました。治療費等どうしたら良いでしょう。

A.犬は、法律及び条例等で、繋留して飼う事が原則です。時々、この犬は訓練が入っている、門前だから・公園の中だから、他の犬に関心が無い等の理由で、リード無しで散歩をしているマナーの悪い人がいます。人や犬を襲ってしまったり、逆に襲われたり、車に引かれても文句は言えません。音や猫の姿に興奮したり、犬同士の相性もあり何が起こるか解りません。この様な場合、相手と畜犬登録をしている事を確認し保健所・警察に届出をします。治療は傷口が小さくても医師・獣医師に診察を依頼し必ず診断書をもらい実費は、飼主に請求します。慰謝料等は、話合いか裁判になります。弁護士等にご相談下さい。
(2003.09掲載分)

Q.この春に保護したメス猫が、お腹が大きく成ってしまった様です。どうしたら良いでしょう。

A.猫は生後約6ヵ月で発情がきます。外出自由・発情が来て家出した場合は、妊娠していると思ってよいでしょう。その場合は、子供を産ませてから避妊手術をする。胎児がいるが、避妊(堕胎)手術をする方法があります。産ませてからの方が良いでしょう。しかし、2〜4頭は産まれますので、世話と貰い手を捜すなどの問題が出てきます。早期の手術で乳腺腫瘍等の予防・野良猫など不幸な猫を増やさない事も重要です。お腹が大きいと気づく様であれば出産は近いでしょう。簡単な手術とはいえ出産まじかでは、リスク要因は増えます。絶対安全な手術はありません。信頼できる病院と獣医師を選んで下さい。
(2003.10掲載分)

Q.猫を飼っています。ワクチン接種はしていますが、猫にもフィラリアがあると聴いたのですが?

A.フィラリア(蚊の吸血により感染し心臓に湧く寄生虫)予防は現在、犬・フェレットでは一般的ですが、まだ、猫の予防率は少ないと思われます。フィラリアは、猫にも感染します。しかし今までは、あまり確実な感染を検査する方法が無く、猫の突然死などで解剖により発見される事が多く、犬の様に咳など目立つ症状を示さないのが特徴です。最近では、簡単に血液検査で、比較的早い時期から抗体陽性判定が出るようになりました。予防法としては、春〜冬まで月一回経口予防薬の投与をします。特に外出する事が多い猫は約12%が抗体陽性といわれています。信頼出来るお近くの病院で検査・予防を行って下さい。
(2003.11掲載分)

Q.飼い犬が病院でアレルギー性皮膚炎と言われて治療をしていますが、あまり良くなりません。

A.全ての犬の15%がアトピー疾患で、内9%が顕著なアレルギー症状(痒み・目のうるみ・鼻水等)を示していると報告があります。原因として多いものはノミアレルギー(ノミが原因)、食餌アレルギー(食べ物が原因)、アトピー(ハウスダスト・ダニ・カビ・花粉などの吸引が原因)が有ります。アレルギーを治すことは不可能です。血液検査によりアレルギーの本となるアレルゲンを特定し、その原因物質を避けるのが一番です。血液検査により三十数種類から百種類近くのアレルゲンを測定できます。しかし、費用も普及して来て安くなったとはいえ数万円掛かりますので、信頼の出来る先生に良くご相談の上、必要があれば検査を行ってください。
(2003.12掲載分)

Q.野良猫に餌をあげていたら頭数が増えて困っています。

A.野良猫に食餌を与える事は飼主になる事と同様です。近隣へ居着き糞尿、残飯等の迷惑、寄生虫・伝染病の蔓延、逆に不幸な猫を増やします。食餌を与えるなら自覚を持ち近所の理解を得て行います。残飯、糞尿の後始末、避妊・去勢手術、里親を探す努力は必ず行います。動物病院は個人経営が殆どです。野良だからと来院される人がいますが、治療・手術費は飼猫と変わりません。逆に野良は持病が有り費用が掛かる場合が多い様です。猫を寒い夜中に病院の前に置いて行く心無い人もいます。悪質な場合は防犯カメラの映像から動物愛護法で通報を考えなければならない場合さえ有ります。市町村・保健所と相談し自覚と責任を持って行動して下さい。
(2004.01掲載分)

Q.飼い猫が口内炎で、食欲が落ち、よだれが出て痩せて来ました。どのようにしたら良いでしょう。

A.猫の口内炎の原因は外傷・薬物刺激・歯肉炎に伴う細菌、真菌感染・腫瘍・ウイルス感染、栄養障害(ビタミン欠乏)などが、考えられます。また、特に猫免疫不全ウイルス(FIP)感染症、猫白血病ウイルス(FeLV)感染症などにより免疫力の低下が基礎になり口内炎を起こすことが多いようです。歯石の有無を調べ歯石が付いているようであれば、血液検査後歯石除去をします。(歯石除去は全身麻酔を掛けて行います。)歯石が無い場合はエイズ・白血病ウイルスに感染していないか血液検査します。原因により治療・薬が違います。お近くの病院で、検査を依頼し、原因に合った治療を行うことが重要です。
(2004.02掲載分)

Q.9歳の犬を飼っています。先日、動物病院で僧帽弁閉鎖不全症と診断されました。今の所、特に変わったところはありません。どうしたら良いでしょう。

A.僧帽弁閉鎖不全症は、全ての犬種に発症する可能性のある後天性の心臓病です。左心房と左心室の間に位置する僧帽弁が変性して起こる病気です。4〜5歳をピークに加齢にともない増加します。初期症状は無く、聴診で心内雑音(収縮期に血液が逆流する音)分かるだけです。進行すると発咳(肺のうっ血および肺水腫に起因)が認められ、運動時や夜間から朝に激しくなります。肺水腫が重度になると呼吸困難を呈し死亡します。食餌療法・薬物療法・運動制限など治療により延命することは可能です。急激な症状の進行から突然死する場合も有ります。
(2004.03掲載分)

Q.狂犬病予防接種の葉書が市から来ますが集合注射と病院で接種するのと違いは有るのでしょうか。

A.生後91日以上の犬は、狂犬病予防法により登録及び毎年1回の狂犬病予防注射が義務づけられています。集合注射も獣医師会が委託され地域の当番開業獣医師が会場で接種します。会場・日程の都合がいい場合は集合注射会場を選んで頂いても良いでしょう。しかし、病気である、高齢である、薬を飲んでいる、妊娠中である、他のワクチンを接種して間もない、神経質で他の犬がいると興奮してしまう、保定出来る方が連れて来れない場合は集合注射では接種しません。病院で診察の上接種をします。病院でも費用的には数百円の差が有るくらいです。ワクチンは副作用が必ず出るものですので注意をして接種してください。
(2004.04掲載分)

Q.高齢のシーズを飼っていますが、トリミングショップで心臓が悪そうなので動物病院でトリミングしてもらって下さいと言われました。

A.トリミングは、ブラッシングをして全身を洗い乾かし、カットし、耳・爪等の手入れをします。犬猫にとっては血圧・体温の変動など、ストレスがかかるものです。最悪、死に至る場合さえあります。皮膚病がひどい、先天的な病気がある、心臓が悪い、神経質で暴れるなどの動物は病院で獣医師の診察・管理の下、トリミングを行います。強心剤・鎮静剤を投与したり、皮膚病の治療用シャンプー剤・投薬と並行して行います。他院で治療をし、トリミングだけをその他の病院で受けると治療・予防歴、処方されている薬がわかりませんのでトラブルのもとになります。先生と相談の上、適切な治療の下受けて下さい。
(2004.05掲載分)

Q.「ヒナを拾わないで」キャンペーンについて教えて下さい。

A.これは日本鳥類保護連盟が日本野鳥の会と共催で行っているものです。ポスター等をご覧になった人も多いと思います。野生とは大変厳しく野鳥の平均寿命は、約1年半と考えられています。一冬を生き延びると生きる術を学習し、数年〜10年以上生きることが出来る個体もいます。これはヒナの約1割程度です。許可なく、善意の保護も含め野鳥の捕獲・飼育は鳥獣保護法により禁止されています。4〜7月は野鳥の子育ての時期です。まだ飛ぶ力がない巣立ちビナが地面等にいるのを見かける事の多い時期です。一旦保護・飼育をすると放鳥し野生に戻すことは大変難しく、大半は拾う必要のない元気なヒナです。ヒナを見かけた時は県・市町村・県立自然保護センター等に相談下さい。
(2004.06掲載分)

Q.家の猫の耳が汚れて、痒がり耳掃除をしても直ぐに、また汚れ困っています。

A.外耳は耳介と外耳道からなり、鼓膜に音を伝える器官です。外耳炎は耳介・外耳道に起こる急性及び慢性の炎症を主徴とする疾病です。症状としては、発赤・痒み・耳垢の蓄積・膿汁の排泄・悪臭があります。原因は外傷(ケンカなどの傷から細菌感染などを起こす。)寄生虫(ミミヒゼンダニなどの寄生により激しい痒みが起こり掻き壊し外傷も併発します。)また細菌感染、真菌感染、異物の混入、腫瘍、アレルギーなどが考えられます。原因により治療法が異なります。原因を付きとめて、治療をしないと、何度も繰返す事になります。悪化すると耳血腫を併発し外科的治療を必要とする場合さえあります。ご近所の病院で、診察・検査・治療を行う事をおすすめ致します。
(2004.07掲載分)

Q.暑い日が続きますが犬にも熱射病ってありますか?

A.熱射病と過温症とは小動物領域では同義語として、日射病は類似疾病として使われています。総じて高温で換気不十分な場所(自動車内など)に閉じ込められた場合に起こることが多い様です。また、炎天下、アスファルトの上を散歩したり、砂浜の上など温度が高く照り返しの強い場所は、要注意です。症状としては、急激な体温の上昇41〜42℃、呼吸促拍、パンティング(舌を出してハァハァ激しい呼吸)および呼吸困難、脈拍増加、皮膚は熱く瞳孔は散大し時間と共に起立不能になり死亡します。少しでも症状が見られたら、躊躇せず、病院で緊急処置を受けた方が良いでしょう。高温にさらされるために中枢神経・循環器系に重篤な変化が起こります。
(2004.08掲載分)

Q.6歳の犬を飼っています。先日、病院で、もう老犬と言われました。人間では何歳位ですか?

A.犬はよく「1歳だから人間なら18歳だ」と言いますが、この年齢換算は、胎児期からの内臓の発育状態、体重の増加率、乳歯から永久歯に生え変わる時期を細かく人間と比べ、はじき出すものです。犬種・大きさ等により大きく違います。一般的には、1歳目を18歳、2年目以降は1年を4歳半として加算すると良いでしょう。6歳で40歳を過ぎた所と言えるでしょう。6歳を過ぎると色々な病気が出て来る事が多いようです。定期的な健康診断を行い注意が必要です。獣医学の発達、飼い主のペットから家族の一員との意識の変化もあり長寿の犬が増えて来ました。その分、今まであまり無かった痴呆等の老化に伴う疾患も増えてきました。
(2004.09掲載分)

Q.室内飼い、2歳の雄猫が、庭や窓際に猫が来ると家中暴れ回ります。どうしたら良いでしょう。

A.このような行動を種間攻撃行動(儀式的威嚇、唸り声、引っかき・咬みつき・追跡行動等)と言います。原因としては、@雄猫間の攻撃(性成熟に達した1歳位から発情中の雌猫の存在など環境刺激による)Aテリトリー行動による攻撃(性別に関わらず、複数の生物的、成熟的あるいは経験的因子が関わっています。)B恐怖誘発性・防御的攻撃(性別・年齢に関係なく、猫同士の合図を相互に誤解し合う。)戸外の猫への攻撃を妨げられ、室内猫の転嫁問題行動であったりします。去勢手術は雄猫間の攻撃行動の90%程度減少させると言われています。また原因によりホルモン剤・抗不安薬等が反応しますので、お近くの先生にご相談ください。
(2004.10掲載分)

Q.ウサギを2匹、つがいで飼っています。このままでは増えてしまうから避妊手術をしたほうが良いのでしょうか。

A.性成熟した雄雌のウサギを同じ環境で飼育すると繁殖してしまうでしょう。長寿の子では10歳ぐらいは生きますので、責任を持てない繁殖は良くありません。避妊・去勢手術を受けさせるか別のケージで飼うのが良いでしょう。手術は、基本的には犬猫と同様に睾丸・卵巣子宮の摘出手術を行います。麻酔は、独特でコストがかかります。費用的には猫の手術と同額ぐらいが一般的でしょう。麻酔管理等、慣れた先生に手術を依頼する事が良いでしょう。雌は開腹手術になりますので雄の倍近くかかります。しかし、加齢と共に卵巣子宮の疾病も多く、その予防を考えて雌に手術を施すのも一つの方法です。お近くの先生にご相談ください。
(2004.11掲載分)

Q.先生の病院は爬虫類なども、診察をしていますか?

A.はい、可能な限り診察を行っております。しかし、どんな獣医師でも総ての動物に精通した先生はいません。爬虫類を専門に診療される病院もありますが数は少ないようです。ですから、私たち、犬猫、ウサギ小鳥などを主に診療を行っている獣医師にとっては、初めて診る動物もあるのが現実です。そんな場合は、専門医を紹介しり、動物園、大学、に治療の相談をします。その動物の原産国で情報収集をする事さえあります。そのため、治療には時間と費用がかかるのが現実です。爬虫類に係わらず特殊な動物を飼育される場合は、元気なうちに、近所の先生に何かあった時に診察が可能か確認しておく事がよいでしょう。まだまだ、薬用量、治療法が確立していない動物はたくさんあります。
(2004.12掲載分)

Q.飼い猫が何度もトイレに行って、しゃがんでいます。毎回、砂には少量の尿が出ていますが病気でしょうか?

A. 膀胱炎かもしれませんね。犬猫は膀胱内に常在菌を持っている事が多く、冬になると飲水量が減り、それに伴い排尿量も減り細菌性の膀胱炎を起こしやすくなります。また結石症も多い病気です。そのため、膀胱炎を併発する場合も多く特に雄は、尿道が細く長いために結石などが詰り排尿障害を起こすと腎不全を起こし命にかかわります。膀胱炎の残尿感でトイレに何度も通っているのか、排尿困難で何度も行くのかでは、大きく違います。出来るだけ早く、近くの病院で検査と治療を行った方が良いでしょう。また、膀胱炎は再発しやすいので、きちんと尿の分析をしてもらい、結石症の疑いがあれば処方食を与えると良いでしょう。
(2005.01掲載分)

Q.海外赴任で飼犬を一緒に連れて行こうと思っています。制度が変わったとのことですが?

A.現在、各国間でペット・動物の移動が多くなっています。その国には無かった伝染病が持ち込まれる危険性が増し各国は検疫に力を入れています。我が国でも昨年11月より検疫制度(農林水産省動物検疫所)が変わり今年9月から輸入届出制度(厚生労働省検疫所)がはじまります。また、国によって規制が違い英国などは狂犬病予防ワクチンの抗体価が低いと入国を認められないなど、まちまちです。詳しくは入出国の国の大使館および監督官庁へ問い合わせてください。狂犬病予防接種・マイクロチップ装着(固体識別用チップを皮下に埋め込む)は、大部分の動物病院で可能です。念のため確認してからお近くの病院へ連れて行くと良いでしょう。
(2005.02掲載分)

Q.ホシガメを飼っています。初めての冬でちょっと元気が無いようです。どうしたらよいでしょう。

A.ホシガメは背甲の各甲板に放射状に線が入った星型模様が美しいカメですね。当院でも現在4匹、飼育中です。陸ガメの中でも平地から草原・森林などの環境で生息しているので湿度の高い場所でも飼うことの出来る比較的飼いやすいカメです。しかし、もともとインドなど暖かい地域の爬虫類ですから温度管理が大切です。また、ホシガメは結石症になりやすいので、水分を取らせます。朝、食餌を与える前に温浴をさせてあげると良いでしょう。40℃弱のお湯に首が出るぐらいの深さで入れてやり身体を温め、排便や尿酸を排泄させます。目安は15〜30分です。食欲が無くなったりするようであれば早いうちに近所の先生に診察してもらいましょう。
(2005.03掲載分)

Q.狂犬病予防注射の葉書が町から来ますが病院でも接種してもらえるのですか。

A.集合注射は、近くに病院が無いなどの接種の機会の少ない畜犬に接種の機会を多くし、また定額で行える様に、行政が獣医師会へ委託し徒歩圏内ごとに行われます。最近は病院も増え流れ作業で、野外で接種を行う意味が少なくなっています。だんだん大都市部から廃止されてきています。本来は予防注射接種の前に元気食欲を確認し獣医師の健康診断を受けて接種をし、その日は安静に過ごすのがよいでしょう。病気治療中・妊娠中などは獣医師に診察を依頼し猶予証明書を発行してもらいましょう。料金も病院により集合注射と同額から数百円高い位だと思います。手続代行も無料の場合が多く、近くの病院へお問い合わせ下さい。(2005.04掲載分)

Q.1歳のオス犬の虚勢手術をしようか迷っています。

A.去勢手術は、睾丸をペニスと陰嚢の間を切開し摘出します。手術時期は、生後10カ月位からが良いでしょう。大型・超大型犬の場合、1歳を少し過ぎてから行うのが良いでしょう。手術により性的活動・縄張り意識も減少します。他の犬と喧嘩なども少なくなるでしょう。また、高齢化に伴う、睾丸の腫瘍・肛門周囲腺腫・会陰ヘルニア・前立腺肥大の発症を予防できます。手術をすると、肥満と動作が鈍くなると言われますが、医学的に見ればこれは誤解です。しかし実際には手術後に肥満した犬を良く見かけます。その原因は運動量の減少とカロリーの取りすぎです。散歩が同じ量でも家で自由にしている時間の運動量が減るのです。大人になり好奇心が減り縄張り意識・性欲がなくなるため食欲が過剰となる場合があります。そんな時は掛かりつけの先生にご相談下さい。
(2005.05掲載分)

Q.最近、ペットの健康保険があると聞きましたが、どんなものでしょうか

A.昔から、ペットの健康保険・共済組合・ペットショップ独自の共済制度など色々な保険がありましたが、ペットの固体識別が難しかったり、掛け金が高かったり、指定病院でしか適応されず、受けたい先生の治療が受けられないなど、色々な問題から、あまり普及せず、数社以外は倒産解散を繰返してきました。しかし、最近は、しっかりした会社が続々と出てきました。また、会社によって保障内容も色々あり、固体識別も技術の進歩によりDNA検査を取り入れたりと体制が整ってきました。大部分は、請求方法が異なるものの、ご希望の病院の治療を受けても適応されます。ご近所の動物病院やペットショップ等でパンフレットを見て内容をご検討されると良いでしょう。
(2005.06掲載分)

Q.8歳の犬が急に倒れてけいれんを起こし、直ぐに何事も無かった様に元に戻りました。どうしたらよいよいでしょう。

A. 犬が発作後、直ぐに元に戻る場合、原因は大きく分けて、てんかんと、心臓病の発作の二つが考えられます。どちらも季節・天気の変わり目に症状が出ることが多いようです。発作の原因を突き止め、原因に応じた治療を行う必要があります。けいれん発作を起こした時は、頭を打ったり、何かにぶつかったり、しない様に注意して下さい。心臓を原因とする場合、発作は数秒〜数分で治りますが、運が悪いと命に係ります。てんかん発作も初期であれば、数分程度で治まりますが重積発作を起こすと命に係ります。出来るだけ早く検査・治療・予防をしましょう。これから台風の時期は気圧の変化などで症状を出しやすいので注意が必要です。
(2005.07掲載分)

Q.6歳のダックスと炎天下を避け夕方に散歩をしています。直ぐ呼吸が、ぜいぜいしてしまいます。何か病気でしょうか。

A.6歳は、そろそろお年寄りの仲間入りです。呼吸器・循環器の疾病が出てくる時期でもあり、注意が必要です。散歩の時間帯に気をつけ、炎天下を避けてもアスファルトがまだ熱を持っている時間だと、体温調節を呼吸に依存している犬は、熱い空気を吸うことになり体温が上がってしまいます。また、体温を下げようと呼吸数を増やし、体温がよりあがってしまう悪循環となり、熱中症になる場合さえあります。足が短く地面に口が近いダックスはなおの事です。散歩は朝早くかよるアスファルトが冷えてから行きましょう。それでも呼吸が荒い様であれば、お近くの病院で診察を受けましょう。肥満は症状を助長しますので注意しましょう。
(2005.08掲載分)

Q.犬を預けようと色々所へ問い合わせし、ワクチン未接種だと預かれないと言われました。高齢な犬も接種しないといけないのでしょうか。

A.特に犬は怖い伝染病をワクチン接種することにより予防できます。年齢に関係なく接種可能です。成犬の場合、日常の生活パターンで、5〜9種の混合ワクチンを選び、1年ごとの接種をするのが一般的です。ホテル・トリミング店でワクチン接種をしていなくても受け入れる所は、逆に伝染病を持った動物がいる危険があります。高齢だと免疫力が低下します。未接種だと、たとえば下痢・嘔吐などのときも、病院では伝染病を除外する為に、抗原抗体検査などをします。その分の費用と安心を考えても接種した方がよいでしょう。アレルギーが出た場合、また以前出た場合は獣医師に相談して、適切な処置をしてもらいましょう。
(2005.09掲載分)

Q.犬の耳が腫れてぶよぶよしています。触ると嫌がります。病気でしょうか。
A. 耳血腫と言う病気でしょう。人間でも、ラグビー・柔道・相撲などのスポーツで、激しく耳を打撲・摩擦することにより内出血が起こり、時間の経過で肉芽組織に置換わり硬くなります。犬猫の場合は、外耳炎・外部寄生虫・異物・腫瘍・狭いケージに入れられたりと、頭を振る・掻くなど、打撲・摩擦により二次的に現れる事が多いようです。また、アトピー性疾患や食餌性アレルギーの再発を繰返す犬で発生が多く免疫系の関与が推察されています。以前は、外科的治療が一般的でしたが、元の耳には戻らず変形する事が多く、現在は、初期の波動感がある間は、ホルモン剤とインターフェロンの投与で完治します。しかし原因の治療をしないと再発しますので注意しましょう。
(2005.10掲載分)

Q.飼っているミドリガメの目が腫れています。どうしたらよいでしょう。
A. ミドリガメは小亀の時の甲羅の色からミドリガメとして親しまれています。アメリカ原産でヌマガメ科のミシシッピーアカミミガメといいます。大きくなるとメスでは、甲長が30cmにもなります。目が腫れる病気は、呼吸器疾病とビタミンAの欠乏症が多いようです。このカメは、雑食性で小亀の時は、肉食性が強く、バランスの取れた食餌を与えないとビタミン不足になります。しかし、バランスの悪い食餌を好む傾向があります。また、ビタミンA剤を投与すると過剰症になる事も多く注意が必要です。お近くの病院で、診察を受け食餌指導を受けましょう。ミドリガメ用の食餌もペットショップで販売されています。それを与え、紫外線ランプを当てて保温してあげましょう。
(2005.11掲載分)

Q.小鳥を飼っています。鳥インフルエンザが心配です
A. 日本国内で鳥インフルエンザが発生したからといって、直ちに一般家庭で飼育している小鳥が感染することはありません。清潔な状態で飼育し、小鳥の健康状態に注意しましょう。野鳥や野鳥の排泄物に接触させないように注意し、人間も触れたら手洗いと、うがいをしましょう。野鳥が死んでいるのを見つけたら、鳥インフルエンザだけでなく細菌や寄生虫を持っている可能性があります。死亡した鳥を素手で触らずにビニール袋に入れて市町村において廃棄物として処分することもできます。野鳥が密集して死んでいる場合には、毒物などの可能性も疑われます。不安な時には、市町村、獣医師、家畜保健衛生所又は、保険福祉事務所にご相談下さい。
(2005.12掲載分)

Q.飼い犬がもう直ぐ7歳になります。この寒い冬お散歩の時など服を着せた方が良いのでしょうか。

A. 犬種にもよりますが、そろそろお年寄りの仲間入りです。犬は、加齢とともに心臓が悪くなる事が多いようです。暖房が効いた部屋から、寒い外へ急に出したりする時には、特に小型犬は、ぶるぶる身体を震えさせたり負担が多いようです。出来るなら、寒い外に出す前に玄関などの少し寒い所で身体を慣らしてからお散歩に出るのも良いでしょう。急激な温度変化に体が対応できない場合が有ります。服を着せるなどをしても良いでしょう。その場合には、服の繊維でアレルギーを起こさないか、服を着せたり脱がす時に爪を引っ掛け、折ったり骨折したり、長時間着せているとフケ症になったりしますので注意しましょう。
(2006.01掲載分)

Q.生後3カ月の犬を飼いました。どんな事に注意をしたら良いですか?

A. 生後2〜3ヵ月頃に行う混合ワクチン接種と虫下しが終わっているか確認しましょう。まだであれば、近所の動物物病院で健康診断も兼ねて行ないましょう。終って1週間以降であれば、お散歩に出ることが出来ます。狂犬病予防接種及び畜犬登録も必要です。しかし、今の季節、暖かい室内で暮らしていた幼犬を急に寒いところに出すと、具合が悪くなる事がありますから。天気の良い日を選んで短時間出し、段々に外の世界に慣らしましょう。1年間、冬の寒さ・夏の暑さを過ごし体力をつけ身体が順応するまでは注意が必要です。子犬は、遊んでくれる人がいると、自分の体力以上に遊んでしまい体調を崩す事もあります。気になる事はぐに獣医師に相談しましょう。
(2006.02掲載分)

Q.2歳のマルチーズを飼っています。涙焼けがひどく、毛が白いので目立ちます。何か良い方法は無いでしょうか。

A. 涙やけとは、眼から涙があふれ、眼の周りの毛が赤茶色に染まってしまう事を言います。眼が飛び出ている犬種に多く見られます。原因としては鼻涙管という、涙が眼から鼻・口へと抜ける管の通過障害や、短頭種(鼻ぺちゃの犬)、鼻涙管が曲がっていたり、狭窄したりする事が多く、涙が正常に流れません。そのために、涙が溢れてしまい、涙やけになってしまうのです。また、短頭種でなくても、鼻涙管が炎症を起こすなどし、閉塞したり狭窄し通過障害を起こします。その他の眼科系疾患(結膜炎・逆睫毛など)の原因があり、診察を受け正しい薬物治療と食餌療法などを行いましょう。
(2006.03掲載分)

Q.3歳のオスのプレイリードックを飼っています。もう一匹飼いたいと思っていますが、発情期にとても神経質になり困っています。去勢手術等は出来るのでしょうか。

A. プレイーリードックはリスの仲間で10年ぐらい生きます。平成15年に輸入禁止対象動物に指定されました。(野生の固体がペストを媒介する可能性あります。)国内で何年も飼育されている固体は心配ありません。ペストに感染し何年も生き続けることは皆無です。今後、入手可能な個体は、国内に残った飼育下で繁殖した子孫だけになります。オスは、発情期には、とても神経質になります。普段どんなに慣れていても、鋭い歯と爪を持っていますので注意しましょう。去勢手術は術式に特徴があるので経験のある先生に相談しましょう。
(2006.04掲載分)

Q.14歳の犬を飼っています。元気なのですが、お腹に腫瘍ができ高齢の為、手術が出来ないと言われました。他の病院では手術を薦められました。どうしたら良いですか?

A. 高齢の為、手術は出来ないということはありません。当然、高齢の動物は体力の低下、免疫力の低下、各臓器の機能低下があり、リスクは多くなります。外科的治療が本当に必要か、また耐えられるか各種検査から現在の状態を把握し、それに合わせて最適な麻酔薬を選びます。手術時間を最短で済ます為に大勢のスタッフで手術をする事もあります。時には他院の先生の応援を得て同時に数箇所の手術を行なう場合もあります。その分、費用がかかりますので、リスクと手術によりどれだけ快復するかを信頼の出来る先生と相談、評価し納得して行うと良いでしょう。
(2006.05掲載分)

Q.貰った子猫が咬み癖か、直ぐに咬み付きます。どうしたらよいでしょう。

A. 親から早く引き離されたり、幼い頃に兄弟と遊んだ経験が少ない猫は社会性を身に付けておらず、この様な問題起こります。狩猟本能から 人の手足の動きに興味を惹かれます。咬もうとして身構えた時に声をかけたり音をたてて気をそらすると良いでしょう。これは根気良く続ける必要があります。また手足を猫の近くで振りして、猫と遊ばない様に注意しましょう。猫は興奮すると、愛情表現を含めて何故か咬んできます。興奮させ過ぎない様に遊んであげて下さい。犬の様に散歩など気分転換をしづらい為、相性もありますが遊び相手にもう一頭、飼ってあげる方法もあります。お近くの先生に飼育環境等相談すると良いでしょう。
(2006.06掲載分)

Q.4歳の犬が身体を痒がり他院でアトピー性皮膚炎と診断され完治は困難と言われ、どうしたら良いでしょう。

A. アトピー性皮膚炎はT型アレルギーでホコリや花粉など環境中に存在する原因物質アレルゲンに対し、抗体が過剰生産されると報告されています。紅斑・赤発を伴う掻痒症で季節性が有り慢性化すると通年性になります。色素沈着・膿皮症を示す事が多い様です。完治は難しく目標を持って症状緩和に向け治療します。@必須脂肪酸A抗ヒスタミン剤Bステロイド剤Cカルシニューリン阻害剤Dイヌインターフェロンなどの薬と抗生物質・シャンプー剤を組み合わせ、合併症の膿皮症や脂漏症を合わせて治療します。治療には時間、インターフェロンなど使用薬剤により費用も掛かります。先生とよく相談して治療しましょう。
(2006.07掲載分)

Q.約3歳のシマリスを飼っています。噛合わせが悪いのか前歯が伸びてしまい硬いものが食べる事が出来ず、どうしたら良いでしょう。

A. シマリスは雑食性の動物です。咬癖や食餌や飼育環境が関与して不正咬合が起こります。原因としては網のケージを咬んだり喧嘩などで前歯が折れ出血炎症を起こし歯根の変形が生じ、歯冠形態が不正となります。上下の切歯が咬み合わず、一般的に下顎の切歯が前方に上顎の切歯が舌側に過長します。レントゲン検査により歯根の確認し定期的に過長した切歯を切断しなければなりません。また、歯根が閉じていて感染症が見られる場合は、膿瘍、石灰化が起こる事もあります。骨吸収・骨髄炎が診られる場合は予後不良です。食餌は柔らかい物を選んであげます。掛かりつけの先生とよく相談して治療しましょう。
(2006.08掲載分)

Q.インターネットオークションで犬を買いました。遠方からの輸送でしたが、元気に到着しました。健康診断に行った病院で臍ヘルニアと陰睾丸があるといわれました。どうしたらよいでしょう。
A. オークション等の大多数は善意の出品者はでしょう。中には売れ残りの動物、問題を抱えた動物を隠して格安で出品する人もいます。陰睾丸は遺伝的素因の強い病気です。その素因を持った犬は繁殖に使うべきではないのですが、流行の犬種は、生まれれば売れるので、繁殖に使われる場合が多々あります。出品者に連絡を取り現状を伝え、臍ヘルニアの状態にもより、@直ぐに治療が必要かA治療には、外科的処置が必要か、B費用はどのくらいか、掛かりつけの先生に診断書をもらい、出品者の方と相談して下さい。
(2006.09掲載分)


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