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渡辺順子の議会報告No.18

昨年から世界中が注目していたアメリカの大統領選挙は予想通り民主党が圧勝し、政権交代が実現しました。誰もが"あなたの1票が政治を変える"と言うことばの重みを実感したことでしょう。

一方日本では埋蔵金や特別会計での税金の無駄遣い、年金の不正処理が発覚したかと思えば、後期高齢者医療制度の見直しを求める声があちこちから聞こえ、今年中に行われると思っていた衆議院選挙が、時期を同じくして起こった経済危機、株価暴落のためにいつの間にか先送りとなりました。麻生政権の課題はどんどん山積みとなり、先行きが心配されます。

さて税金の使い道と言えば、最近大磯町でも「町は私が納めた税金を勝手に使っている。もう税金を納めたくない」いう声を耳にします。なぜでしょうか。

世界の経済が揺れ動き、誰もが将来に不安を感じているいま、町は町民の財産と生活を守るために必要不可欠なことを優先的に行わなければならない筈です。

そう考えると「なぜ多額な予算を使ってまで「安全」という結果が出た石垣を壊し、マンション予定地の部分だけ道を広げなければならないのか」「町民の森を民間に貸し出すために町が数億円もかけてアクセス道路をつくるのが町民の利益になるのか」など大きな疑問が湧いてきます。

しかし残念なことに町がそのような無駄遣いをしようとしている事をほとんどの町民は知りません。

とても大事なことなので私の意見を詳しくお伝えします。

H19年度の決算審査は僅差で認定     (私は認定しませんでした)

一般会計歳入は

@町の収入全体の61%を占める町税(町民税や固定資産税)の徴収予定額は約56億7,000万円でしたが、徴収できたのは約53億9,800万円で、徴収率は95,2%。1億8,800万円が徴収できず、さらに約8,400万円が徴収期限の時効切れで徴収不能となりました。(徴収努力がもう1歩足りなかった)

A財源不足を補うとして、財政調整基金から約3億2,000万円を使いました。(財源の不足のための基金の取り崩しは賛成できません)

計画どおりに実行できなかった事業は

特に月京幼稚園の整備は土地の購入が計画通りに進まず1年遅れました。(当初見込み違い。2億円の執行残。必要な福祉政策に使えたかも知れません)

フェアーでない広報おおいそ

町は、広報11月号の3ページに「石積擁壁の安全対策」の記事で石積擁壁がさも危ないような情報を掲載しました。

公正であるべき町の広報がゆがんだ報道をしたことは町民を欺くことになり、決してしてはならないことです。広報は次のことを伝えていません。(広報を手元にお読みください)

その1 擁壁の健全度調査結果は健全と出ましたがそのことは触れずに「将来的には石積みの除去・・補強対策・・」など町の都合の良いところだけ載せています。(健全度調査結果は右図参照)

その2 「総合計画や大磯町まちづくり計画」に明記・・・書いてありますが、町の事業は総合計画の「実施計画」に基づいて行うものです。この道路の拡幅は実施計画にはありません。素人をだますような引用は町民に失礼です。

その3 「約6,000人の方々から要望書が出された」と書いてあります。しかし要望書は区長などの名前で回覧板で署名を集めた地域があります。一つの価値観で公的なものと思われている機関を利用すれば公共性が失われてしまいます。

このような誤った方法で署名集めがされたことを注意すべき立場にあるはずの町が広報で追認しているのは、いかに町が公正さを失っているかの証拠です。

署名をした方から「石垣を壊すことになるとは思わなかった。今から取り消したい」という声があります。善意の町民を欺く失礼な行為です。

その4 「歩道の設置や車道の拡幅をする」と書いていますが、歩道の設置や道路拡幅とは石積みを壊し、背後の樹木もなくなってしまうことです。町はすでにマンション事業者に土地を提供するよう申し入れています。しかも自転車駐輪場、沿道の家や商工会館は現在のまま、マンションが建つ部分だけ道路が広がるだけです。誰のためにもなりません。

大磯48号線既設擁壁健全度調査報告書より
安全率解 析 結 果判定
常時現状の斜面の最小安全率Fs=1.974≧計画安全率1.20OK
中規模時振動現状の斜面の最小安全率Fs=1.773≧計画安全率1.10OK
大規模地震動現状の斜面の最小安全率Fs=1.609≧計画安全率1.00OK

*大規模地震動とは震度6〜7です

その5 費用は6,000万円〜1億円掛かると言われています。石積みを破壊すれば、ホームからマンションが丸見えになり、「関東の駅100選」に選ばれた大磯駅周辺の懐かしい佇まいは台無しです。

美しい町を今ならまだ残せます!

駅線路沿いの坂道は、大磯に鉄道が敷かれたときに出来た切通しで、石積みはその時代の技術が残る貴重な文化遺産といえます。大磯町の中でこのような場所は数えるほどしか残っていません。長い年月を経た石積みと背後の樹木が醸し出す風景が、大磯町を訪れる人々を魅了するのです。もしこの風景がなくなったら、明らかに町の魅力は半減するでしょう。町の行為は駅周辺の風景を自ら破壊することになるのです。

このたび景観計画を策定するにあたって行った調査でも駅周辺の風景を評価する意見が多く、駅周辺は景観重要地区に位置づけられました。どうして町長自らが町民の財産であり誇りである風景を壊してしまうのか。

町がすべきことは次の3点

@町は石積擁壁と背後の緑地を貴重な文化財として評価すべきです。安易に壊すためにではなく、文化遺産として保存するための補修や維持にお金を使うべきです。

A道路は広くはありませんが、人身事故は起きていません。風景を大切にする他の市町が行っているように一方通行にするなど知恵と工夫で安全は守れるはずです。

B本来ならこの場所にマンションはふさわしくありません。しかし現在この計画を規制できる条例が町にはありません。駅周辺の風景を守る条例を急ぐべきです。

万台こゆるぎの森 民活の不思議

万台こゆるぎの森の問題

1 森を手放して得られる収入は?

町長は「万代こゆるぎの森は、野村から寄付されたが、年間2,000万円の固定資産税は入らなくなり、維持 費がかかるばかりで無駄である」という理由で、国際学園に50年の定期借地権で貸す方針のようです。

しかしアクセス道路整備や今後万台の一部にある土地開発公社も持分を町が買い戻す費用などに莫大な支出が見込まれます。

50年間で町にどれだけの収入があるのか、と聞いても町からは「今後町が維持する分が掛からない」という答弁しか返ってこない始末です。

どのくらい収入が見込まれるか試算しました。

          (単位:千円)
 収   入支  出
賃借料(1,000/年)500,000 
アクセス道路整備費 428,000
道路測量・設計委託 16,000
土地開発公社から買取り 200,000
合    計500,000634,000

これでは民活どころか赤字です。

貴重な町民の財産を50年と言う長期で貸し出すからには、事業の評価を見極め、保証料や年間賃借料、道路整備、維持管理費を設定をしてから契約すべきです。

2 不透明な募集

そもそも町が定期借地権を導入し、万台こゆるぎの森を利用する団体を募集した際、@募集期間が僅か1ヶ月だったこと。A借地期間や借地料、保証金、契約内容などを決めずに募集。B選考委員の採点表などは公表されない。すべてが不透明であり、町が国際学園を選考した基準が曖昧でした。

3 未契約のまま新聞やホームページで生徒募集

町は国際学園から建物の修理をしたいので、早く契約したいと言われ、11月1日に契約をする予定でしたが。しかし10月24日に開いた総務建設常任委員会は以下のような問題点を指摘し、このまま契約することに反対の意見がでたため、町は「きちんと条件整備が整わない限り、国際学園と契約はしない」と約束しました。そのため11月からの工事は取消しました。

@定期借地の賃借料、保証金、その他契約内容、学園の計画などがはっきりしていない。

A契約もしていない、来年4月の開校も未定なのに国際学園は大磯キャンパス開校の新聞広告を出し、生徒を募集している。

B町がプロジェクト会議に出席を要請しても学園は出てこない。

C土地開発基金の条例を改正し、基金の取り崩しをしようとしている。

4 都合よく変更される規則や条例

しかも町は「大磯町財産規則」の貸付期間の項に「前項の規定にかかわらず、・・・貸し付け期間は町長が定める」という条文を加えました。

次に委員会で判明したように、土地開発会社が持っている万台の土地を買い上げるために「土地開発基金条例」を改正し、基金の2億円を使おうとしています。都合の良いように勝手に規則や条例を改正し、町民の税金の6億円も学園のために使うのです。

5 民活のことばで6億円

町内外の建築家、報道関係者、また医者などから、手放すのは惜しいと高い評価を得ている万台こゆるぎの森。この森が町のずさんな計画で50年後にどんな形になっているのか。6億円を使っての民活が本当に町のため、町民のためになるのか大きな疑問であり、不安です。

20年6月一般質問から

1 ごみ処理広域化・厨芥類資源化施設の見直しは

渡辺:平塚市とのごみ処理広域化で、大磯町が分担する厨芥類資源化施設は13億円以上となる。厨芥類だけを資源化する方法ならば、8億円は削減できるのではないか。見直しは考えないか。

副町長:今後話を進める中で無駄な支出をしないように行いたい。

2 子育て支援センター・道路は確保できるか

渡辺:子育て支援センターの建設予定地は、アクセス道路が幅2.7mしかない。まず道路を確保してから計画すべきである。あとから道路買収費がかかってくるようでは順序が逆だ。道路はできるのか。

福祉部長:入り口は車が1台通るのがやっとである。これから地権者の協力を得て道路を拡幅する前提で予算計上した。

3 万台こゆるぎの森・道路測量費等の負担は。

渡辺:万台までの道路測量・設計委託費予算は1,600万円である。学園が負担すると言っているが、学園が出した概算工事事業費の資金計画にはこの道路計画は入っていない。本当に学園が出すのか。

企画室長:総合計画に位置づけている道路なので町が行うが学園から申し出があれば調整する。

渡辺:総合経計画は町民が利用するときの計画。定期借地で貸す場合では目的が変わっている。今後整備するには4億円以上かかる。誰が負担するか話し合うのが当たり前だ。

町長:17年から総合計画に載せている。誰かに便宜を図っているわけではない。

20年9月定例会 一般質問から

1 福祉施設の改修について

渡辺:「横溝千鶴子障害福祉センターすばる」の中庭の改修はバリアフリーにすべきではないか。段差があるのは福祉施設として適当ではないと思うが。

福祉部長:生沢プールで使っていた敷物を利用したい。スロープをつけて段差がないようにする。

渡辺:一部分だけスロープをつけてもバリアフリーにならない。今回の計画は一時的と考えてよいのか。

町長:一時的だが今後全体の計画の中で考えていく。

渡辺:「すばる」で行っている絵画展は毎年参加者が増えている。壁面に額釣りのレールがあれば準備も捗るので設置してほしいと要望があるが。

町長:予算がないので希望通りのものは出来ないが検討したい。

渡辺:ふれあい会館の福祉ショップは床の汚れがひどく、窓のブラインドも壊れている。障害者の就労の場所でもあり改修すべきではないか。ロビーや道路から見える部屋にすれば利用者も増えるのではないか。

福祉部長:改修は来年度の予算で考える。本来なら福祉ショップの場所は「すばる」が適当だと考えている。

2 駅北側のマンションについて

渡辺:私は駅北側のマンション計画は接道要件を満たしておらず違法であると考えている。まちづくり審議会からも、「条例の趣旨に立ち返ると、町の解釈・運用に疑義があり、必要なら条例改正が望ましい。また景観等を視野に入れ、駅北側の一体的整備の誘導に町のリーダーシップを求める」との建議が出た。町はどうするか。

都市整備部長:真摯に受け止め、今年度中に条例改正も考える。

3 駅前の石垣の取り壊しについて

渡辺:町が行った石垣健全度調査は、「震度7でも崩壊という事態は想定されにくい」という結果だった。 工事費は6,000万円がそれ以上かかると言われている。健全なものを莫大な税金を使って壊すのか。

副町長:何が何でも石垣は壊す。

12月定例会の日程

主な議案は部長廃止に伴う機構改革のための新規条例や改正。町長が考えるスリムで機能的な、機構改革とはどんなもので、職場環境は良くなるでしょうか。

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