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渡辺順子の議会報告No.19

平成22年6月議会も終了し夏本番を迎えました。
このたびは、bP8の活動報告以降の議会の動きと今年度の予算や事業についてお知らせいたします。

平成22年度予算の概要

世界同時不況の影響で、町民税が3年連続で落ち込み、個人および法人町民税で1億4,200万円の減額を見込んでいます。支出は観光・環境・教育の3本柱に防災・子育て支援対策を重要課題とした予算編成でした。
全 会 計   166億2,400万円
一般会計 86億200万円
特別会計 80億2200万円
起債総額(借金総額) 12億3360万円
一般会計  7億円
下水道特別会計  5億3360万円
公債費(返済借金の総額) 14億7、300万円
       一般会計  9億6600万円
    下水道特別会計  5億 700万円
 地方債合計  156億6400万円
        一般会計72億3200万円
     下水道特別会計84億3200万円

貯金残高は
町の普通貯金と言える財政調整基金の残高見込みはとうとう1億円を切り、9,900万円となりました。年度末には昨年度残高の3億1,200万円に少しでも近づけるために、効率の良い予算執行を行って基金にどれほどの金額を戻せるかが問われています。   

ごみ処理と下水道事業で約4分の1
ごみ処理費は、ごみ収集運搬やプラスチック処分委託その他で約4億7000万円、さらに、し尿処理やごみ処理広域化負担金などを加えると約7億円以上が使われています。
下水道事業費の総額は約14億円です。下水道の整備は、下水道使用料金や受益者負担金などの収入でまかなうのが原則ですが、とても足りません。そのため5億3,300万円を借金。し、そのほかに一般会計から4億1900万円を繰り入れます。
この2つは今後も続けなければならない大きな事業ですが、町の予算の中で大きな部分を占めています。
一方で、国民健康保険への繰入金や障害者自立支援、生活保護世帯の増加によって、民生費はますます伸びていきます。        

町長提案にNO!  
以上のような財政状況の中で町長は唐突に、役場が手狭なため東京電力大磯クラブを分庁舎として借りたいとか、本庁舎や消防署が老朽化しているので、建て替えを検討したいと提案しています。
しかし大磯クラブの耐震改修費は約2億で、庁舎建設はおそらく数十億円が見込まれます。
総合計画に入っていない事業を唐突に提案するようなことはすべきではありません。
長期的な財政計画のもとに公共施設のあり方を検討すべきです。


平成22年度の事業の中から疑問点

その1.「大磯町バリアフリー法基本構想」

障碍者や高齢者などが安心して施設を利用したり、歩けたりするために、大磯町交通バリアフリー法基本構想を策定しています。しかし、障碍者が日常通っている障害福祉センター付近の、歩道が極端に狭いうえに段差があり、危険な道を整備の対象から外しています。また高齢者がよく利用する地域の会館も整備の対象外です。町の目的は駅周辺の県道を拡幅する事なので、関係者からなぜ必要なところを対象外にするのか、疑問の声が出るのは当然です。

  その2.図書館の窓口業務の委託

大磯町図書館の窓口業務が県からの補助金「ふるさと雇用再生事業」を利用して民間業者に委託されました。この補助金は雇用促進のため3年間の時限つきです。町民に愛され利用されている図書館。町の文化を継承する大事なところです。時限つきの補助金で行う事業ではないと考えます。

その3、剪定枝の分別収集

目的はごみ減量のようですが住民への周知が不充分で唐突に始まったため、混乱が起きています。
さらに、剪定枝はチップ化すると言うので、肥料になるのかと思ったら、ボイラーの燃料になっているらしい。収集と処理委託に1,000万円かかるなら、今までのように町で燃やしても良いのでは?
ごみ減量とは名ばかりのようで、腑に落ちません。

万台こゆるぎの森

当初は50年の定期借地権契約の筈でしたが、契約期間は1年、年間賃借料は当初予定の2千万円が1千万円に、保証金の2億円は2千万円が現況です。
その理由は、平成21年は万台こゆるぎの森の一部が土地開発公社の所有地なので、学園が計画している事業が実行出来ないということでした。
しかし平成22年の3月、町が公社の土地を取得したので、本来なら50年の定期借地契約が出来た筈ですが、今年度も1年契約を行い、保証金の残金1億円8千万円は支払われていません。
さらに、町民は自由に利用できます、という約束でしたが、入園・退園時は記名が必要で規制もあるようです。この素晴らしい森を、町民がいつでも自由に散策できる日は来るのでしょうか。残念でなりません。
議会との約束を守らず、秘密で行われた契約
契約に至るまでの町長の姿勢について、平成21年4月28日の臨時議会で「町長不信任決議」を提出しました。賛成が過半数でしたが、特別多数決の3分の2の賛成がなかったため否決でした。

大磯町長不信任決議 [全文]

三好町長が平成18年就任以来行ってきた行政執行は町民及び議会に説明責任を果たさず、町の諸課題を共に考えるという姿勢が見受けられない。
  特に昨年12月15日、町長は国際学園との覚書の締結を議会に隠蔽して行い、翌日その報告をする機会があったにもかかわらず報告しなかった。
12月26日、そのことについて議長が行った議会対応の改善を求める申し入れに対し、猛省していると言いながらその後も全く改める様子がない。
本年3月18日、本会議場において議会が議案21号を否決した際、3月中に国際学園と本契約をすることは考えていない、と答弁したにもかかわらず、その発言を反故にし、3月31日契約を締結した。これは議会制民主主義を踏みにじる暴挙である。議場での発言は町民との約束である。議員を町民の代表であると認識していない。同様に馬場地区住民と行った説明会開催の約束もいまだ果たしていない。
さらに、新聞折込のビラで偏った情報の行政報告を行い、自らの行為を正当化しようとした。行政報告を新聞折込で行うなど前代未聞である。
このような信じられない行政執行がたびたび繰り返されたため、議会は町長への信頼を全く失った。
約束を履行せず、その言葉が信用できなくなった人物にこれ以上大磯町行政を託すことはできない。議会の使命は、地方公共団体の具体的政策を決定することである。町の政策が適正で適法しかも公平に、民主的でない場合に、議会がそれを見過ごすことは、議会としての使命を果たしていないことになると考えた。よって本議会は三好正則大磯町町長を信任しないことを決議する。


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