現在のサイト:
 < 親サイト:一茶助八(7) < ゲーム読み物(8) < TRPG蛇行道!(9) < たまねぎ須永の部屋〈うつつまぼろし〉(0)
TRPG蛇行道!>読み物>一茶助八>おしごれ編1
困ったとき
google
→TRPGって何?
→Intro & Map
〈口では〉TRPG好き/おしごれ編
第1回 プレイへの3つの難関(2003/05/15)
第2回 世界観とPCの目的(2003/05/28)
第3回 キャラメイク編1
悠々TRPG好き
第1回 TRPGってどれだけ買えばいいの?
第2回 TRPGって道具いる? その1
サイト管理関係
→更新記
→管理人情報
→諸権利関係
→お薦めリンク
コンテンツ
→遊興日記
→読み物
→シナリオ&データ
→発行物
(サークル〈オニオンワークス〉)
関連リンク
「お城と街とご令嬢」用シナリオ「3000人の指輪」
TRPGお薦めサイト
→[trpg.net]

娘「ここが未来長屋の遊戯部屋か?」
助「なんでぃ? 口を開けばそんな物言いかい? ちょっといい女だと思って、つけあがるねぃ、この女郎」
 ちょいと今日の助さんは機嫌がよろしくないようです。
娘「妾にそのような口をきくとは、よい度胸じゃな」
助「何」
爺さん「まぁまぁ、この年寄りに免じてすまぬ、助さんや」

 二人の前にある障子が開けられ、白髪に白髭の男が姿を現す。けして華美ではないものの、質のよい呉服を身にまとっていた。


一茶助八〈口では〉TRPG好き 〜おしごれ編〜 第1回


一茶「これはわしの遠縁の娘のお菊じゃ。ちとTRPGで悩みがあるというのでな、ここに呼んだのじゃ」
助「へぇ。ご隠居の……、その割には、なかなかの器量じゃねぇですか」
菊「一茶殿、まさか、この男に頭を下げろ、と?」
一茶「この戯会では最適の男が助さんなのじゃ。なに、お主が普段会っている男どもと比べても遜色のない肝っ玉の逸材じゃよ」(註1)
助「この生意気そうな娘さんに我慢できるのは、心の広い俺くらいだからなぁ、うんうん」
一茶「そういうわけじゃ、二人ともよろしくな。わしはいろいろ約束があるのでな」

 一茶は二人を眺めた後、去っていく。

助「で、何を教わりに来たんでぃ」
菊「〈おしごれ〉について教えてもらいたい」
助「ほぉ、〈おしごれ〉、正式にいえば〈お城と街とご令嬢〉かい。これはまたぁ」(ひとあそかい発行)(註2)
菊「宮様より、そちもマスターをするがよい、と命じられたのじゃ。〈おしごれ〉は宮様たってのご指名なのじゃ……」
助「おれっちの教え方はぬるくないぞ。で、TRPGの経験は?」
菊「〈ソード・ワールド〉をプレイヤーで何度かやったことがあるが、GMはない」
助「まぁ典型的だな。〈おしごれ〉はどれくらい知っている? ルールブックは持っているか?」
菊「宮様に与えられたこれを持っているだけじゃ」
 そういって、菊が畳の上に広げたのは、「RPGマガジン」62号(1995年6月号)。
助「投稿コーナー〈登龍頁〉か。懐かしいな……って、資料はこれだけか? ひでぇなぁ。おれっちでもそこまではしねえけれどなぁ」(註3)
菊「なにがひどいのじゃ?」
助「いくつかの理由から初めてのマスターをするには少々お勧めできねぇシステムなのさ」

■〈おしごれ〉プレイへの3つの難関■

助「第一にルールブックの出版状況というか入手難易度だ。その参考資料にあるとおり、〈おしごれ〉は同人出版――つまりだ、非商業出版なので、一般的な書籍流通に載せられていねぇ」
菊「つまり、本屋では買えぬのじゃな。ということは、ゲーム屋で買えばよかろう」
八「う〜ん、同人誌をゲーム屋で買うのも難しいと思いますよ」(註4)
助「おっ、八いたのかい?」
菊「音も立てずに現れるとは面妖な」
八「挨拶して入ってきたんですが、お二人ともお話に夢中だったようなので。っと、はじめまして、一茶ご隠居、助さんたちの戯会に混ぜてもらってます八という商人でございます」
菊「しら……いや、一茶殿の遠縁にあたる菊と申す。〈おしごれ〉を教わりにしばらく足を運ばせてもらう、よろしく頼む」
助「一茶爺さんのTRPGの師匠にあたる助っちゅう職人だ。そういえば、自己紹介していなかったな」
八「で、非商業出版された冊子を広義の同人誌と呼ぶのですが、たいてい同人誌即売会や発行元の通販で買うのですよ。一部のお店に置かせてもらっている発行元もあるのですけれどね」
菊「どこで買えばよいのじゃ?」
助「発行元のサークルさんがhpをもっているので、そこで通信販売をしてもらえ、といいたいところなんだが、な」
八「何か問題があるんですか? 同人誌の通信販売なら私も幾度か利用したことがありますが」
助「いやなぁ、版元絶版なんだな、これが」
菊「売り切れか、では、入手不可能か……」
八「〈おしごれ〉をやれ、というのはお菊さんへのいじめかもしれませんねぇ、こりゃ」
助「いやぁ、そうもいえねぇぜ、今のご時世、金さえ糸目をつけなければ、絶版といえど、そう手に入らねぇものはねぇ」(インターネットオークションとか同人誌専門の古書店とか/註5)
菊「とはいえ、すぐ手に入るものであるまい」
助「当分、おれっちのやつをコピーして使いな。絶版書籍ならば、ある程度コピーしても許されるかもしれねぇ」(註6)

菊「さきほど、『第一に』と言っておったが、ほかに勧めにくい点があるのじゃな?」
助「第二にテーマの特殊性だな。この特殊性こそが魅力でもあるのだが」
菊「お城と街とご令嬢が出てくるのだろう?」
八「そりゃ、まぁ、題名がそうなんですからねぇ」
助「中世欧州風のファンタジーな舞台イメージの象徴という〈お城と街〉。そして、PCはみんな〈ご令嬢〉なのさ」
八「〈ご令嬢〉ということはPCはみんな女性キャラクターですか??」
助「そこが、なかなかお勧めにくいところなんでい。なにしろ、TRPG好きに占める男性シェアは圧倒的だからなぁ」
菊「それは安心しろ。菊の属す戯会は女性ばかりだからな」
八「ガリガリの男性や髭の豊かな年配の方が集まって女性言葉で話し合う風景は、未だに何ともいいがたい光景ですからねぇ……」
助「まぁ、プレイヤーの性別は問題ねぇと。次の■世界観とPCの目標■で詳しく説明するんだが、〈ご令嬢〉は、冒険の目的が違うわけでな」
菊「TRPGというのは、つまるところ悪い奴を倒して財産を奪うゲームではないのか?」(註7)
八「そういってしまえば、身も蓋もないですけれど、確かに、たいていのTRPGはそうですねぇ」
助「〈ご令嬢〉は基本的に生活に悩んだりなんかしちゃいねぇんだ。なんだ、いわゆる〈夢見る年代〉というやつでな、各PCの最終目的は旦那探しだ」
八「旦那探しですか……」
菊「ほぉ、自分で嫁ぎ先を選べるのか、それはゲームの中といえど、素晴らしいかもしれんな」
八「そういえば、お武家の娘さんは親に決められるんでしたね……」
助「最終目的がそういうわけなので、ゲーム全体の雰囲気も少女漫画的要素を意識して行うべきだろうな」
八「冒険活劇要素の強いセッションばかりやっている人々には確かに勧めがたいポイントですね」
助「このあたりは、まぁ■世界観とPCの目標■で再度説明するさ」

助「最後の第三の点だ。同人のTRPGにありがちなところだが、ディペロップ不足だな。これがプレイには勧めがたいところだ」(註8)
菊「でぃべろっぷ……飴玉か?」
八「飴玉……ドロップじゃないです。監修作業ですね。全体的な整合性をとる作業で、テストプレイや記載内容・表現の推敲などですね」
助「TRPG黎明期からやってきた古参プレイヤーやマスターにとっては問題にならないレベルなんだがなぁ、今のルールブックしかしらない連中には厳しいだろうなぁ」
(作中でも、2003年初夏と同じような勢いでTRPG環境は推移しています)
八「刊行は9年前ですものね……当時の同人TRPGとしてはいいレベルなんですけれど」
菊「では、この作品で初GMに挑むのは無理か?」
助「なぁに、一茶の隠居に頼まれた以上は、大丈夫さ。プレイしやすいようハウスルールなども教えてやるよ」
菊「……ハウスルールとは?」
八「公式ルールではない、自家製改造ルールのことですよ。主に公式ルールに満足できないところを補うためにセッションの前後に作られます」

第2回予告
《■世界観とPCの目標■》
菊「貴様、菊を愚弄するか!」
助「てめぇのような女に〈ご令嬢〉なんて似合わねぇ!」
八「なんてシーンはありません、たぶん」

[このページの一番上に戻る]
[このコーナーの最初のページに戻る]
[管理人:たまねぎ須永へ連絡]