坂田よう子

議会活動報告 ひまわりのタネ №52 平成28年8月18日発行

残暑お見舞い申し上げます

海開き、夏期大祭、いそっこ海の教室、大磯市(夜市)、なぎさの祭典と夏行事が続きました。今年の夏は、後半が極暑と言われています。ご自愛の程、お過ごし下さい。
町議会は、平成28年度予算を3月議会で可決し、6月議会では、一般質問をはじめ、その執行を監視しつつ、政務調査等の役割と責任を遂行しております。
今号では、長年の懸案である「大磯港みなとオアシス」事業を中心に議会活動報告を致します。

大磯港みなとオアシス

坂田よう子
懸案であった大磯港を取り巻く課題に関する考えが集約され、当初予算では、「大磯港みなとオアシス」推進事業として、基本構想策定業務委託料が計上されました。今事業の展望を伺います。

町長
大磯港を中心としたエリアを国土交通省の制度である「みなとオアシス」に登録するため、「大磯港みなとオアシス整備計画基本構想」の策定を行います。登録により、国土交通省による広報PRと標章をアクセス道路等に掲げることができ、利用者への周知、安心感の向上、ひいてはリピーターの確保を期待します。基本構想は国や県と協同し、地元関係者や関係団体で構成する推進会議を設置し進めます。更には、議会の意見を伺い、具体化を図ります。
委託内容は、エリア設定の検討や認定要件となる情報提供、広場などの交流スペース、休憩施設の3つの機能に加え、防災機能も含めた全体計画、概算費用等を考慮した計画規模の検討です。また、漁業協同組合の建替えに合わせた賑わい交流施設の内容・規模、業務スキーム、マーケティング調査を踏まえた事業収支等についても検討し、みなとオアシス申請書を策定します。
次年度以降、港湾管理者等への働きかけや、賑わい交流施設の設計・整備を進めます。
2020年度の東京オリンピック・パラリンピックは、江ノ島がセーリング競技の会場となります。新聞報道では、大磯プリンスホテルが選手村の分村候補として、県から提案されることが明らかになりました。このような機会を捉え、港周辺をセーリング会場と選手村を結ぶ単なる通過点ではなく、大勢の来訪者をもてなす場の創出を目指します。東京オリンピック・パラリンピックの開催までに供用開始することを一つの目標と考えます。

老朽化が進んだ漁業協同組合の建物

老朽化が進んだ漁業協同組合の建物

坂田よう子
大磯港は、この十数年間、県の大磯港再整備計画、観光の核づくり推進事業と課題の積み残しが継続され、特に、賑わい交流施設については、実現性が危惧されてきました。今回こそは、2020年に向け、しっかりと整備完了して頂きたい。
今、圏央道の開通、134号線の4車線化と様々な要因が本町の観光需要の創出に新たな期待をもたらせています。静かな町を望む町民感情というものは、この町に確かにあります。しかしながら、少子高齢化が急速に加速する中で、交流人口を増やし定住につなげる。人や資本を呼び込み、一定の町税収入を確保しなければならない現実があります。町税の確保なしに、子育て支援、教育、高齢者福祉等、社会福祉の向上が期待できない現実があります。
殊に、本町の人口構造と財政の関係は、顕著にこの現実が表れています。町全体においては大磯の瀟洒な観光資源を主張しつつ、本町唯一の賑わい創出の場、発信の場として今事業は推進されるものと捉えます。

担当部長
4月より、産業経済部みなと推進係と観光推進係が港湾管理事務所に移転し、推進体制を整え執務を行っています。2020年度の東京オリンピック・パラリンピックに向け、実績を積み上げ、完成度の高いみなとオアシスを目指します。

坂田よう子
みなとオアシスのエリアは、港を中心に北浜海水浴場から照ヶ崎海岸にまでおよびます。
大磯市は、町全体を「市」にする発想です。港に立ち寄ってもらい、そこからマチナカの瀟洒な雰囲気を体験し、大磯を好きになってもらう。殊に、北下・南下町を含む駅から港までの流れを大切にしています。
また、本町は海水浴場発祥の地です。昭和30年代、その繁栄期においては、駅から港まで、さざんか通り、つきぬけ、下町通りと多くの人々で賑わっていました。今、その下町通りは、空き家対策を町が重点的に進めている注目エリアです。この下町エリアをエリア検討に加える考えはありませんか。

担当部長
伝統行事である左義長もあり、港を中心とした魅力あるエリアの創出を図る中で、新たな賑わいの創出を期待し、基本構想策定の中で検討します。

東京オリンピック

坂田よう子
「月に一度の大磯市だけではなく、大磯の商工会全体の繁栄をもっと考えるべき。」とのご意見を頂くことがあります。大磯市は港のみを活性化させることではなく、町全体を「市」とする発想であり、特に駅から港までの流れ、下町エリアや茶屋・北本・南本・神明町いわゆる4町を含めたエリアの商店の方々へ流れ・発信を考えていますと私自身はお答えしています。
先般、まちづくり計画一部改正の審議があり、その視点で改正がされていくと捉えました。

担当部長
みなとオアシスの申請においては、商工業者の方を含め、地元の意見を大切にし、マーケティング調査やヒアリングを行いながら進めます。

坂田よう子
2020年東京オリンピック・パラリンピックまでにとなれば、あと3年程です、賑わい交流施設の整備完了は実現できるのか具体化に向けた考えを伺います。

担当部長
実際に漁業協同組合の施設はコンクリートが剥がれる等、老朽化が激しくなっています。漁業協同組合の建替えに合わせ、水産業だけでなく農産物の直売所、飲食施設の整備、6次産業化についても考えていきます。また、二宮町の漁協組合との合併協議も進んでいます。それらを踏まえた基本構想を策定します。
更に、以前から県の大磯港再整備計画の中でも施設の建替えの議論がありました。今回の基本構想は、具体的な規模等を考え進めていきます。

坂田よう子
大磯港というものが町民に愛される場であることを強く望んでいます。「みなとオアシス、それは大磯町民のオアシスである。」その方針で進んで頂きたい。
町民主導の大磯市は7年目に入りました。町民のまちづくりへの意欲、強さを感じます。毎年、夏休みに開催される「いそっこ海の教室」は、12年間継続し、毎回、参加者100名、スタッフ50名以上の体制でビーチスポーツを中心に海のある暮らしを子ども達が学んでいます。海洋教育であり、地元愛にあふれた運営です。これらは、象徴的な大磯らしさなのではないでしょうか。
是非とも、町民の地域活動を大切にした施設整備、運営を期待します。

担当部長
港を中心としたエリアが、町内外の方々の交流の拠点となるよう、産業、地域の活性化につながる魅力ある事業を目指します。基本構想策定の推進会議においては、大磯港にかかわる方々の意見を聞きながら進めていきます。

海のある暮らし 海洋教育<br>2016「いそっこ海の教室」

海のある暮らし 海洋教育 2016「いそっこ海の教室」

坂田よう子
県の大磯港再整備計画は最終年度を迎えます。みなとオアシスは、残された検討事項の解決に真剣に取り組んで頂きたい。時の流れは、2020年東京オリンピック・パラリンピック、セーリング競技の選手村となる可能性がある中、この機会にビジターバース、クルーズ運行等の海洋に関する事項を前向きに検討し、行動をとって頂きたい。
大磯港に関しては、行政も町民も、この十数年、実にいろいろなことをやってきました。そして、町民の皆様は、大磯港がまちづくりの発信拠点となることに対して、とても協力的でした。
だからこそ、実態が見えたうえでの要望や期待が強いのだと思います。しっかりと意見集約し、最終段階の設計・整備へと進んで頂きたい。

副町長
みなとオアシスは持続ある大磯の発展・持続ある定住政策、それを進めるための重要なキーワードであり、最大の事業との認識でやっていきたい。
少子高齢化が加速する中で、本町も2060年には2万1000人までの人口減少が予測され、非常に大きな問題と捉えています。これに対し、町は総合計画や人口ビジョン戦略の中で、2万1000人を2万7000人に留めたいと計画を策定しました。大磯に新しい人の波をつくることを戦略の柱とし、この波をつくるおおもとが大磯港と考えました。その決意で今事業に着手しています。

坂田よう子
大磯港みなとオアシス事業は、単なる観光推進事業ではなく、町の将来を見据えた最重要政策との政策決定に基づくものであると理解します。
町の最上位計画である総合計画、地方創生に向けた町の方針である人口ビジョン戦略、更には、都市計画であるまちづくり計画に至る重要計画において、町の将来像を見据え定住政策を戦略的に行う、その政策実現の場が大磯港みなとオアシスであると伺いました。
町職員全体が強い認識と決意をもって進めて頂きたいと考えます。


先程、議員から人口構造と税の話を頂きました。自然・文化を守るにもお金が要ります。このままでは、負のスパイラルでこの町は立ち行かない状況も考えなければならない。町の将来、町の発展を考え、職員一同、肝に銘じ、今事業を推進していきます。

頑張れ 大磯の子供たち 2016「いそっこ海の教室」

頑張れ 大磯の子供たち  2016「いそっこ海の教室」