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名前のとおりテニスをする人が肘に痛みを訴える疾患をテニス肘といいます。通常、プロに多いといわれるフォアハンドやサーブで痛みが出る肘の内側におこる内側上顆炎と初心者やウイークエンドプレーヤーに多く見られるバックハンドの時に痛みのおこる外側上顆炎があります。もちろん、上級者でも内側上顆炎を起こす方は、たくさんいます。手首を使いすぎると最初は肘ではなく筋腹(肘より手首側2分の1)が張ってきます。この時点では、痛みはほとんど感じられません。アイシングと短くなった筋肉のストレッチングを行い3・4日休めばもとにもどります。しかし、放置したままこの筋を使うと短くなった筋が肘の停止部位を引っ張り続け炎症を起こします。すると肘または筋腹に痛みを感じ、プレーの最中は痛みを感じなくなるがプレーの後や普段の生活で肘を使う時に痛みを感じるようになります。プレーをしている時でもしていない時でも痛みが取れない状態になってしまった方は、日常生活で包丁がもてなくなったり、トイレでお尻を拭くのが困難になったりします。ここまで症状が進んでしまうと治るのに何ヶ月もかかります。
外側上顆炎(通称:バックハンドエルボ) 伸筋または伸筋停止部位の損傷ですので手首を手の甲側に力を入れる時に痛みが出ます。スポーツ傷害で肘の痛みを訴える約90%がこの外側上顆炎にあたります。本来バックハンドは、肩を中心に手首を固定したままスイングするので、正しいフォームで打てば、外側上顆炎にはなりません。しかし、間違った手首の使い方(手首を反してラケットを振る)をすると、手首の伸筋がパンパンに張ってきてすぐ痛めてしまいます。また、フォームが正しいのに外側上顆炎になってしまう人は、実はテニスではなく別のところで発病している人がほとんどです。しかし、バックハンドショットで痛めたわけでなくても傷害が治らない間は、ショットの時に痛みが出現します。
内側上顆炎(通称:フォアハンドエルボ) 屈筋または屈筋停止部位の損傷ですので手首を手の平側に力を入れる時に痛みが出ます。強いサーブを打つ時に拳を握ったまま手首を反すため筋肉が短縮されたまま強い刺激が肘の内側に加わります。この内側の発症率は肘の関節炎の10%に達しません。内側上顆炎は、過度の関節負荷が原因ですが、この疾患もテニスではなく別のところで発病しているケースも少なくありません。傷害が治らない間はフォアハンドやオーバーヘッドの時に痛みが出現します。
○練習を全力でやりすぎのアマチュア 激しい試合をするたびに筋肉や腱がわずかに裂け、破れます。そして、その回復の過程で筋肉は、短くなります。朝に腕がこわばった感じになるのはこのためです。普通、筋肉を回復するには24〜48時間かかります。しかし、毎日テニスをすると、修復される時間がないためストレスがかかって壊れてしまいます。アメリカの研究者の調査によると、毎日テニスをする人の50%以上が肘何らかの傷害を持っていてテニスの練習頻度に発症率が比例していることがわかりました。多くの一流ランナーの場合、週に2回しかハードなトレーニングをしません。オリンピックレベルのウエイトリフターも重いウエイトを持ち上げるのは、週に2日です。しかし、テニスというスポーツは、競技性が非常に高いスポーツなので一生懸命なアマチュアにとって軽い試合、軽いサーブ、軽いショットで練習することは、実際に困難なのが現状です。
○なかなか治らない理由 テニス肘がなかなか治らないのは、使ってしまうということが一番の理由に上げられますが、それ以外に解剖学的にこの部分は、血流量が少ないため、血液からの回復に必要な栄養が供給されにくいという事も理由となっています。年齢でみると、30代までは発症率は、比較的少ないのですが40代に入ると急激に増えてきます。これは、40歳を境にして、関節上顆の栄養供給量が急激に落ちることを表しています。確かに臨床をみていても30代と40代とでは、回復の違いがあるのがよくわかります。 慢性化している内側上顆炎は、肩甲骨の真上(棘下筋の筋腹)にトリガーポイント(関連圧痛)が外側上顆炎は胸の大胸筋にトリガーポイント(関連圧痛)が存在しています。風邪をひいていないのに咳がよく出る方はまず大胸筋があやしいとみて間違いないでしょう。肘しか見ない臨床家ほとんどですが、ここの部分のケアが回復の鍵になることを知っている臨床家は、少ないと思います。
○対処 安静が最良の治療法:回復の時間が必要です。痛みが出始めたらドアの開け閉め・荷物を持ち上げなるなど疼痛の出る動作は要注意。
プレー後のアイシング・ストレッチング テニス肘ストラップ・キネシオテーピング 針灸・マッサージ・理学療法
回復をより早く確実にするためには、早いうちに専門家に治療と生活指導(コンディショニング知識)が必要です。臨床家の目から見て医療知識だけでなく競技の専門知識がないとプレーを続けながら回復させることは、非常に難しい傷害だと思います。
○再発防止
フォームをコーチに見てもらう 治癒しても間違ったフォームだとすぐに再発してしまいます。コーチについてもらい正しい体の使い方を身につけることが再発を防ぎます。ボールを打つのに肩と腕を使わないと凄まじい力が手首(手首を使う筋肉は、肘に停止しています)にかかります。時速30マイル(約48km)で飛んでくるテニスボールは50ポンド(約22.5kg)のウエイトを持ち上げることと同じで、上手な選手の平均的な1ゲームは、50ポンドのカールを50回カールすることに等しい。前腕だけで打とうとすると、この衝撃はラケットから前腕の筋群に伝わり肘の腱に終わります。ストロークの衝撃を分散させるもっとも簡単な方法は、上腕全体を用いるバックハンド(肩甲骨を上手く使う)を覚えることです。手首に比べて肩や肩甲骨の関節は、非常に丈夫なため負担を分散させるだけではなく、ショットの威力・安定感にも役立ちます。またトレーナー知識のあるコーチならリハビリのための簡単なトレーニングメニュー(2〜3kgの鉄アレーを1日2回フロントリストカール・バックリストカール10回3セットなど)を指示してもらうのもいいと思います。
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