補足2.検証と本質的問題
「問題を生んでいる原因はコレじゃないかな?だから、この原因を解決すれば良いんじゃないの?この原因を解決するためには、こうするのが1番じゃないかな?」 疑問から話を組み立てるのは論文の基本になります。
■5W1Hで問題の原因探し
もし、検証の書き方が分からない場合は、5W1Hで「基本的な質問」を頭の中で繰り返してみましょう。3~5回も繰り返せば、すぐに検証方法が見つかるはずですよ。
- What : 何が問題を生じさせているの?
- When : いつ問題が生まれたの?
- Where : どこで問題が生まれたの?
- Who : 誰が問題を生んだの?
- Why : 何故、その問題が生まれたの?
- How : どのようにして、その問題が生まれたの?
この中でも、基本となるのはWhyです。次に例を書いてみますね。
■インターネットが抱える課題について考えてみる
色々課題があるけど、何について書こうかな。よし、テーマは「セキュリティ」にしよう。それじゃ、問題は単純に「セキュリティ強化が必要かどうか」ということを書けばいいかな。もちろん答えはYesだ。つまり、仮説は「セキュリティ強化は必要だ」ということになる。よし、これを検証しよう。
何故(Why)、セキュリティ強化が必要なんだろう。そういえば「企業の顧客データの流出(個人情報の流出)」というニュースがあったな。あれは防がなければいけないな。何故(Why)、個人情報が流出すると問題になるんだ?銀行の暗証番号、インターネットサービスのIDやパスワード、学生なら成績だって分かってしまう。そうなると金銭的問題、弱味になるもの、あとは勧誘電話などなど色々な問題がある。やっぱり、セキュリティは強化しなくちゃいけないな。
でも、これは簡単すぎ・・・
確かに、セキュリティ強化が必要なのは当たり前ですよね。これくらいの掘り下げ方じゃ小論文として点数はもらえません。それじゃあ、もう少し詳しく掘り下げるための方法を見ていきましょう。
■もうちょっと詳しく論じる場合
実は、検証のやり方は変わりません。問題をもっと詳しくすれば良いのです。問題は「セキュリティ問題を解決するには技術的な面を解決すれば良いのか」にして、仮説は「No!必要なことは他にもある」としますね。
個人情報はどこ(Where)で誰が(Who)流出させているんだろうか。意外に社員が会社の外でっていうのが多いんだよなー。でも何で(Why)会社の外に顧客データがあるんだ?自宅でも仕事しているのかな?それにしても、顧客データの入ったパソコンを車の中にパソコンを置きっぱなしにしたり、ウィルスやP2Pの入ったパソコンに顧客データを移すのも無用心だな。技術強化でウィルス問題は解決できたとしても、車の中に置きっ放しにするのは技術じゃどうにもならないよなー。
やっぱり技術的なことだけじゃ足りないみたいだ。それじゃあ、顧客のデータを外に持ち出さないようにするにはどうすれば(How)良いのか考えてみよう。会社全体で制度を作るか、家にデータを持ち帰らずとも仕事が終わるようにすれば良さそうだ。大切なのは「制度と教育、情報を扱う人の意識・・・つまり、技術ではなく人間」かな?
ほら、具体的になった
問題の設定の方法の重要さがココでも分かりますね。